クリスマスやお正月にお酒を飲む機会が増えますが、日本人の4割はお酒に弱いので要注意!

生活

大人になるとお酒を飲む機会が増えてきます。私は他愛もない話をしながらお酒を飲むのが好きです。皆さんはいかがですか?


アルコールに対する体の反応は親兄弟であっても全く違います。なので兄は飲めるのに弟は飲めないこともあります。ある調査では日本人の4割がお酒に弱いと報告されています。
よく「アルコールは節度を守り、適量の飲酒を心がけましょう」と言われますが、自分の適量はどれくらいなのはよくわかりませんよね。そこで酔いやすい理由とアルコールに対するパッチテストの方法、アルコール(ノンアルコール)飲料の楽しみ方をレポートしていきたいと思います。

< 目 次 >
1 遺伝による体質の違い
2 アジア人の中でも日本人(モンゴロイド系)はお酒に弱い
3 体重による違い
4 男女による違い
5 年齢による違い
6 自分の型をパッチテストで判定しよう
7 さらに詳しいテストをするならアルコール分解酵素の遺伝子型検査
8 ノンアルコール飲料も飲み過ぎると飲酒運転になる!
9 これから流行る!?酢を使ったノンアルコール飲料



1 遺伝による体質の違い

世の中にはお酒に強い人、弱い人、全く飲めない人がいます。実はこれ、遺伝による体質によって決まっています。アルコールが体内に入ると、肝臓で「アセトアルデヒド」という物質に分解されます。この物質は極めて毒性が強く、胸がムカムカしたり、顔が赤くなりひどい場合は体に発疹ができたり、頭痛、吐き気、頻脈などの症状を引き起こします。このアセトアルデヒドを分解してくれるのが「ALDH2(アルデヒド脱水素酵素2)」です。

ところが、日本人は約40%の人がこのALDH2の活性が弱い「低活性型」のため、お酒に弱い体質といわれています。 さらにこの内の約4%の人はALDH2の働きが全くない「不活性型」と呼ばれ、お酒を飲めません。この両タイプの人たちは、ごく少量のお酒でも、気分が悪くなってしまうため、無理な飲酒は絶対やめましょう。また、一緒に飲んでいる人もこのタイプの人たちにお酒を無理強いすることは絶対に慎んでください。このALDH2は、親から遺伝によって受け継ぐので、生まれた時から決まっており、後天的に変わることはありません。

自分の体質を知り、自分のペースでお酒を飲むことがなによりも大切です。では自分はアルコールに強い「活性型」なのか、アルコールを分解しにくい「低活性型」なのか、ほとんど分解しない「不活性型」なのかを見極める必要があります。


2 アジア人の中でも日本人(モンゴロイド系)はお酒に弱い

赤ちゃんの背中からお尻にかけて青いアザのようなものができるのが「モンゴロイド系」の特徴です。お酒に対する強さは、遺伝のほかに、体重差や男女差、年齢差などによっても異なりますが、ALDH2「不活性型」はモンゴロイド系の人々に特有のもので、ヨーロッパ系(白人)やアフリカ系(黒人)の人々にはこの「不活性型」はみられません。
<ALDH2の低活性型+不活性型の割合>
日本・・・・・・・44%
中国・・・・・・・41%
韓国・・・・・・・28%
インド・・・・・・・5%
アメリカ先住民 2~4%
ハンガリー・・・・・2%
西ヨーロッパ・・・・0%
中東・・・・・・・・0%
アフリカ・・・・・・0%
日本人が欧米人に比べてお酒に弱いと言われるのはこのことが関係しています。
原田勝二:Journal of the Anthropological Society of Nippon, Vol. 99, No.2, 123-139,1991.
http://www.suntory.co.jp/arp/

3 体重による違い

アルコールは血液に溶け込んで全身の細胞組織に水分とともに溶け込みます。体重の重い人ほど血液量や水分量が多いので血中のアルコール濃度が薄められ、その分酔いにくくなります。なので関取が酔いにくいのは血液量や水分量が多いことに起因しています。

4 男女による違い

一般的に、女性は体格の違いや女性ホルモンの影響で男性よりアルコールの分解速度が遅く、体脂肪の割合が多いことがあるのでアルコールの影響を受けやすいと考えられています。女性の飲酒は少量のお酒でもアルコール依存症や肝臓障害を起こす例が多く見られます。さらにその後の治療でも男性より女性の方が悪くなりがちなので飲む量には気をつけましょう。

5 年齢による違い

年をとるとアルコールの分解酵素の働きが悪くなり、体力も衰えるのでお酒にも弱くなります。若いころと同じように飲んでいたら、失敗や危険を引き起こすので注意が必要です。そして、高齢者に多くみられるのが「退屈だから」「寂しいから」と昼間から一杯、ひとりで一杯、という習慣がアルコール依存への入口になることもあります。お酒は家族や友達、誰かと語らいながら適量を楽しく飲むようにしましょう。


6 自分の型をパッチテストで判定しよう

お酒に強いか弱いかが簡単にわかるパッチテストです。
*注意点 毎日お酒を飲む人は、正しい結果が出ない場合があります。

STEP1
パッチテープ(薬剤のついていないガーゼ付きの絆創膏)に、市販の消毒用アルコール(70%)を2~3滴しみ込ませます。
STEP2
STEP1のテープを上腕の内側に貼ります。
STEP3
7分後にテープをはがし、はがした直後(5秒以内)に、ガーゼがあたっていた部分の肌の色を確認します。
STEP4
さらに10分後にもう一度肌の色を確認します。
判定は、
Check1
はがした直後に肌が赤くなっている。→ALDH2不活性型(お酒が飲めない体質)
Check2
はがした直後は赤くなっていなかったが、10分後に肌が赤くなっている。→ALDH2低活性型(お酒に弱い体質)
Check3
肌の色に変化がない。→ALDH2活性型(お酒に強い体質) ※この体質の人は適量を心がけ、飲みすぎには十分注意してください。
考案者:独立行政法人国立病院機構 久里浜医療センター 院長 樋口進
7 さらに詳しいテストをするならアルコール分解酵素の遺伝子型検査

アルコールの分解に重要な役割を担っているADH1B遺伝子(アルコール脱水素酵素1B)とALDH2遺伝子(アルデヒド脱水素酵素2)の2つの遺伝子型を検査することができます。パッチテストに比べると正確です。この遺伝子を検査することで、お酒に強いのか、弱いのかといった生まれ持った自分の体質を知ることができます。

8 ノンアルコール飲料も飲み過ぎると飲酒運転になる!

皆さんはノンアルコール飲料にもアルコールが含まれているのを知っていますか?「えっ、0%と書いてあるじゃん!!」と怒られそうですが、日本の酒税法ではアルコール分1%以上のものを酒類、アルコール分1%未満のものをノンアルコールと規定しています。そのため、「ノンアルコール飲料」とひと口に言っても、アルコール度数が0%のものとそれ以外のものが混在している可能性があります。アルコールが全く入っていないものを望まれる場合は、アルコール度数の表示が「0.00%」であることを確認してください。

ではどれくらい飲むと酒気帯びになるのか計算してみましょう。
まず飲酒運転となるのは呼気検査でアルコール濃度が0.15mg以上の場合です。呼気中のアルコール濃度は、血中アルコール濃度の5倍になるといわれていますから、血中アルコール濃度が0.03%で約0.15mgの検査結果が出ることになります。

例えば、居酒屋で見かけるホッピーはアルコール度数は0.8%もあります。このホッピーも1%未満なのでビアテイストの清涼飲料水(ノンアルコール飲料)と言うことになります。
体重60kgの人を想定して計算すると、
血中濃度【0.03%】×体重1kgあたりの平均血液量【=833ml】×体重【60kg】÷アルコール度数【0.8%】=1,874.25ml
つまり、60kgの体重の人がホッピーを1.8リットル飲むと酒気帯び運転になる可能性があるということです。
大ジョッキ(700ml)なら3杯、中ジョッキ(435ml)なら4~5杯飲むとアウトです。なので3~5杯飲んで運転すると呼気に出て捕まる可能性があること知っておいてください。

9 これから流行る!?酢を使ったノンアルコール飲料

10月25日にこんな記事が出ていました。<酢をベースにしたノンアルコールカクテル。名前は「ガーネットラブ」「SOSO(楚々)」「ホワイトグルーヴ」=23日午後、神戸市中央区>
記事には、
体質や車の運転などのため、お酒が飲めない人にも楽しんでもらおうと、関西の飲食店が酢をベースにしたノンアルコールカクテルの提供を始めた。見た目に美しく、爽やかな口当たりとお酒に劣らない深みを持つ1杯が、大阪や京都など45の店舗で味わえる。「英国で流行するシュラブの流行が日本にも来ないか」。今年初めに飲食店から発起人のフードジャーナリスト曽我和弘さん(60)に寄せられた相談が企画のきっかけ。「シュラブはフルーツビネガーを使ったノンアル飲料。酒と同じ発酵食品の酢を使うことで味に深みが出るのでは」と、知人のバーテンダーや講義している大学の女子学生らに依頼し、レシピを考案した。
ヨーグルト黒酢とグレープフルーツジュース、スパイスなどをシェイクしたラッシーのような味わいの「ホワイトグルーヴ」、黒ウーロン茶やリンゴ酢を組み合わせた「ガーネットラブ」など、本格派から「食中酒」向けまで21種類をそろえた。
「ホワイトグルーヴは酒のような余韻が残る。これやったら飲めない時に頼みたい」。常連客からの評価も上々だと話すのは、「バー サヴォイオマージュ」(神戸市)店主でバーテンダーの森崎和哉さん(43)。「隠し味で酢を使うことはあったが、ベースにしたのは初めて。バーはお酒が飲めなくても来ていい場所と思ってもらいたい」と期待する。
健康志向の高まりなどから、ノンアル飲料の人気は上昇を続ける。2019年のサントリーの調査では、市場規模が10年前と比べ4倍以上になると推定されており、東京や神戸にはノンアルカクテル専門のバーもオープンした。
発起人の曽我さんは「下戸の人から左党まで楽しめるレベルのカクテル。ブームをつくりたい」と話している。【時事ドットコムトップへ】
お酢をベースにしているので完全な「ノンアルコール」飲料です。これなら何杯飲んでも大丈夫ですね。

最後に

自分の体質を知り、自らの体質に合った適度な飲酒を心がけ、自分も周りも楽しいお酒にしましょう。そして楽しい年末年始をおくってください。

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