こんなハコ（交番）なら女性警察官が増えるかも！？「ハコヅメ」はおとぼけコメディーとシリアスがカオスな所が良い

日本テレビ系「ハコヅメ〜たたかう！交番女子〜」が受けている！
うわさの元エース刑事・藤聖子（戸田恵梨香）と、どこにでもいそうなひ弱ですぐ挫けそうになるひよっこ警察官・川合麻依（永野芽郁）のコンビが街の平和のために駆け回る「ハコヅメ」。視聴率も2桁をキープしている。

第1話　11・3％　　第2話　11・7％　　第3話　10・8％
第4話　 8・9％　　特別編1　6・4％　　特別編2　8・8％
第5話　12・5％　　第6話　11・1％

主演の永野芽郁が新型コロナウイルスに感染して２週休止（特別編）という“想定外”はあったが、再開後もコア層（13～49歳）の視聴率トップであり、動画配信サービスのランキングも上位にいる。

テレビドラマの感染対策は大丈夫なのか？

ドラマ出演中の女優・男優が新型コロナウイルスに感染者することが増えている。先に書いたように「ハコヅメ」では永野芽郁、「#家族募集します」の仲野太賀、「TOKYO MER～」は稲森いずみと馬場徹など、重要な役柄の感染が深刻になっているのが現状だ。最近は海外から新たな変異株「ミュー株」が発見されるなど、更なる事態が進行するのではと恐れられている。ドラマでマスクを装着して演技が出来ないため、視聴者側も「こんなに近づいて撮影しているけど万が一この中にコロナ感染者がいたらまた撮影が止まるのでは無いか……」とドキドキする。もちろんテレビ局も手をこまねいているわけではない。手洗いを始め、消毒をこまめに行うとともに、検温やPCR検査は徹底している。

しかし制作会社スタッフからは「“コロナ慣れ”を警戒しつつも昨年４月の最初の緊急事態宣言発令時のような緊張感を保ち続けるのは難しい」との声も……。ドラマの中でマスクをせずに密になっている場面を見ると、現実とのギャップでドラマに没入することができにくくなっているのは私だけだろうか。

元警察官の経験が作品に溢れている

このドラマの原作は漫画家・泰　三子さん。元警察官という経歴から生まれたリアルな警察官”あるある”が盛り込まれたコメディとして、多くの読者を獲得してきた。2017年11月より「モーニング」（講談社）で連載が始まり、現在も漫画の執筆活動は続いている。ドラマで表現されている身勝手な地域住民、悪戦苦闘の日々、男社会のパワハラ・セクハラ、言いたい放題の警官女子会、許しがたい犯罪者たちの登場・・。「ああ、ありそう～」というエピソードは原作者が警察勤務10年という知見を元に描いているところが大きい。

特に警察署で何日も泊まり込み捜査の場面では、仮眠室のベッドが壊れているため一つの布団の中に藤や川合など3人で寝るリアルさ、また町山警察署の副所長、吉野（千原せいじ））はいつも大きな声で怒鳴っていたり、人の都合は無視するなどのパワハラが常態化しているところもリアルなのだろうか。それに対してハコ（交番）の穏やかな時間と会話というギャップが萌えさせているかも（笑）

「ハコヅメ」の制作費が安い理由

制作費が安い理由は”使えるものや場所を使い倒す”に尽きる。

・ドラマの舞台となる町山交番は日テレの生田スタジオの駐車場につくったプレハブ
・町山署は武蔵村山市役所
・藤や川合の職員宿舎は八王子市片倉のアパートで外観を撮り、あとはスタジオセット
・街中の商店街や住宅地、公園、学校などをそのまんま使ってロケ
・出演者も高額ギャラの俳優・タレントがいない
・埼玉県警が全面協力する代わりにパトカーや白バイの「埼玉県警察」の表記がやたら強調されている
・町山交番の掲示板には埼玉県警の採用ポスターも張ってある

地元の警察を巻き込んで制作すればここまで経費節減できる。他のドラマでも見習うところは大いにあるのではないだろうか。

ドラマ製作にも黒船到来

テレビ全体の視聴率が下がっている。その原因に「ライフスタイルが変化し若者のテレビ離れがすすんだ」「インターネットやゲーム等の他のメディアを利用」「Netflix (ネットフリックス) やAmazonプライムなどを視聴」などがあるといわれている。
特にNetflixやAmazonプライムは、低料金で時間にかかわらず見たい番組を見ることが出来るのは痛いところだ。今まさに映像の黒船来航と言える。視聴者をテレビドラマに引き留めるためには、どれだけ魅力的な作品を、少ない制作費で作れるかが勝負になる。その点「ハコヅメ」はコロナ禍でも暗い雰囲気を吹き飛ばしてくれる明るさが魅力だ。「シーズン２」があるならぜひ見てみたいと思う人は多いのでは。これからも頑張って欲しい。

参考
制作費は安上がりなのに視聴率トップ永野芽郁「ハコヅメ」がウケている理由
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/294324
永野芽郁、稲森いずみ…コロナ感染が相次ぐドラマ制作の現場と課題
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/294268
日テレ「ハコヅメ」第６話11・１％　藤聖子ら署内の疲労はピークに
https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202108250001250.html
日本テレビ系「ハコヅメ〜たたかう！交番女子〜」
https://www.nikkansports.com/entertainment/drama/topic/hakozume.html
「ハコヅメ」原作漫画家・泰三子さんは元警察官　現職時代、似顔絵捜査、そしてドラマを語る
https://news.yahoo.co.jp/articles/378f7c453b8bc4263f07e0cd44628e0784ab11da
wiki　泰三子
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B3%B0%E4%B8%89%E5%AD%90
wiki　ハコヅメ〜交番女子の逆襲〜
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%82%B3%E3%83%85%E3%83%A1%E3%80%9C%E4%BA%A4%E7%95%AA%E5%A5%B3%E5%AD%90%E3%81%AE%E9%80%86%E8%A5%B2%E3%80%9C