AIも過当競争化するのか? イーロン・マスク氏が新しいAI企業を立ち上げ計画中

テクノロジー

ChatGPTが多くの人々に影響を与え始めているが、米Financial Timesが4月15日(現地時間)が起業家のイーロン・マスク氏がChatGPTを手掛ける米OpenAIと競合する新しいAI企業を立ち上げる計画であると報道した。

またAI開発のために米NVIDIAから大量の構成のGPUを購入するの噂とともに、米Google系列のAI企業DeepMindの元従業員であるイゴール・バブシュキン氏などのトップエンジニアを採用しているという。

米NVIDIAのGPUを約1万個購入

報道によると、マスク氏は約1万個のGPUを購入し、米X社(旧Twitter社)の中でAI開発プロジェクトを始めた。そのために、米Alphabet傘下の英DeepMindからAI開発を担当していたイゴール・バブシュキン氏などのトップエンジニアを採用。

大規模言語モデル(LLM)の開発に取り組んでいるとしている。購入したGPUの種類などは不明だが、数千万ドル(数十億円)を費やしたと報じている。
これだけでもかなり力を入れて開発する意図が読み取れる。

TwitterにAI技術を投入か

米Wall Street Journalは14日、マスク氏が3月にX.AIという企業を設立したと、ネバダ州の事業届け出文書に基づいて報じた。
マスク氏がX.AIの唯一の取締役となっているが、企業の目的は現在記載されていない。また法人化手続きをしたのはマスク氏の秘書として同氏の個人資産を管理するジャレッド・バーチャル氏。今のところは一起業家として動き始めたばかりなので今後を予測するのは難しいが、設立したX.AIと買収した米Twitterを統合したことが4日に明らかになっている。

すでに マスク氏はTwitterを買収した昨年10月に「Twitterの買収は、すべてのアプリであるXの開発を促進するものだ」ともツイートしている。
さらにマスク氏は、CEOを務めるSpaceXとTeslaの投資家にこの新プロジェクトに投資するよう持ちかけているという。

AIは「自意識」を持つ可能性が

AIに自意識が生まれる可能性が論議されているが、安全性について研究する非営利の研究組織「Future of Life Institute」では3月、GPT-4よりも強力なAIの開発と運用を少なくとも6カ月間停止するよう呼びかける書簡を公開している。米Appleの共同創業者、スティーブ・ウォズニアック氏などが署名していた他、イーロン・マスク氏の名前も確認されていた。4月12日時点の署名の数は2万2190件。

現時点では間違った回答をすることも少なくないAIではあるが、AIが自意識を持った場合、AIが意図的に判断し誘導されても、使う人間には分からない。そうなる前に何らかのコントロールする手段を持つことは必要であろう。
参考
イーロン・マスク氏、X.AI社をネバダ州で登録 OpenAI対抗か
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2304/16/news045.html
Twitter社消滅 イーロン・マスク氏の「X社」に統合
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2304/11/news139.html
イーロン・マスク氏、生成AI用に約1万個のGPUを購入か AI開発の停止要請に署名したばかり
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2304/12/news099.html

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