ポスト香川氏で思うこと 日本は常軌を逸した「全体主義」的な風習の国なのか

芸能

銀座ホステスへの「性加害」が報じられて以来、「ポスト香川照之」探しが始まっている。一時期はテレビや広告で見ない日はないほど、様々なメディアに出演していたが、一旦ことが起きると「臭いものには蓋をする」ように締め出しているように見える。アメリカでもスキャンダルやセクハラが起きているが、日本のように放送局・広告から締め出されることはないという。

「ポスト香川照之」探し

金曜レギュラーだった『THE TIME,』(TBS系)を降板し、NHKの『香川照之の昆虫すごいぜ!』『インセクトランド』も放送中止となって、現在は謝罪とお詫びの日々が続いている香川照之氏。
銀座ホステスへ「性加害」を行った事実は変えようもなく、バッシングを受けて当たり前であろう。ただバッシングがあまりにも露骨であり、違和感を覚えるのは私だけではないであろう。



出演作品の多くが放送中止やネット上からの削除。トヨタをはじめ、サントリーなど7社との広告契約が打ち切りとなり、事実上テレビ業界から追放されている。
出演が内定していた10月スタートのTBSの『日曜劇場』なども降板となり、歌舞伎役者の市川猿之助氏の登用が噂されているという。
市川猿之助氏といえば2020年の『半沢直樹』(TBS系)で共演し、その演技力は折り紙付き。今後は香川氏の代わりに多くのドラマに出演することだろう。

NHKの『香川照之の昆虫すごいぜ!』の主演もすでに候補があがりつつある。何と荻野目洋子さんだという。荻野目さんは子供のころから虫が大好きで、3人のお子さんを育てるなかで『虫愛』が復活したという。また2020年には『虫のつぶやき』という歌を作詞・作曲し、NHKの『みんなのうた』で放送されている。

「作品に罪はない」という意見も

現在の香川氏に対する反応は過剰反応ではないかという意見も少なくない。事実、薬物で逮捕されたアーティストの楽曲が配信停止・販売停止となったり、不祥事を起こした俳優の出演映画の公開が延期になったりもしたが、そのたびに過剰反応なのではないかという議論が起きている。また俳優を変えて取り直すには時間と経費が掛かるため、業界としても取り直しは難しい面もあるという。



さらに今後のことを考えると、切り捨てることが難しいテレビ側の事情もあるようだ。
それはテレビの視聴率低下とネット配信ドラマの関係で、テレビが香川氏を締め出すとスター俳優を失うと同時に、ネット配信ドラマにスター俳優を奪われることになる可能性が高い。

香川氏は「悪役」あるいは「ラスボス」的な役どころを、圧倒的な存在感を発揮して演じることができる数少ない俳優であり、テレビ局側でも絶対失いたくない存在。
そのため裏では、テレビ局側も落としどころを探っているようだ。

アメリカでの性被害の場合は

今回の「性加害」のような場合、アメリカではどのような状況となるのだろうか。
性被害を受けた女性たちがツイッターの「#MeToo」で名乗り上げた事件は記憶に新しい。
この「#MeToo」が起きた原因は、ハリウッドで絶対的な権限を持っていたハーヴェイ・ワインスタイン氏(現在は服役囚)が、1992年以降に女優志願の若い女性80人にセクハラ行為(レイプを含む)を行い、セクハラを受けた被害者(グウィネス・パルトローやアンジェリーナ・ジョリーなど)がツイッターでつぶやき、事件が発覚した。当初、セクハラ疑惑を全面否定し、州政界の大物などを使って逃れようとしたが、集団訴訟を受けて全面降伏。2020年、禁固23年の判決を受け、ニューヨーク州エリー郡刑務所に服役している。



アメリカのテレビ業界でもセクハラ事件は起きている。米ABCテレビで香川照之氏なみの人気を誇っていた俳優兼プロデューサーのフレッド・サべジ氏がセクハラ容疑で長年担当してきた番組を解任されている。性加害の経緯をセクハラの被害女性が業界誌「ハリウッド・リポーター」に通報したことから発覚したという。

このようにアメリカでは、レイプ常習者は即逮捕し重罪を課すが、セクハラだけだと、解任されても刑事、民事罰はない。
さらに日本と違うのは、週刊誌の報道だけでNHKのような国営放送や、民放全局が番組出演をすべて中止にしたり、広告の即時キャンセルをしたりするなど、「全体主義」的な風習で中止することはないという。日本のように、発覚すると「関わり合いを持つ者はすべて悪」という極端に走るのはいかがなものかと思う。

特に今回の件では、銀座ホステスと示談が成立していた話だとも言われており、示談のことはほとんど報道されず、性加害の場面が大きく取り上げられている。さらに3年前のことがなぜ今、表沙汰になるのか。その部分もぜひ検証してほしいものである。
参考
「ポスト香川照之」探しが急ピッチ…「顔芸」なら猿之助、「虫」はまさかのオギノメちゃん!?
https://news.yahoo.co.jp/articles/8ddee5bd1c3a4f7f6c8b3cb92a2dd747a13338c4
香川照之、性加害で降板続くもドラマは継続「完全に切りたくない」テレビ局の事情
https://www.news-postseven.com/archives/20220905_1791062.html?DETAIL
香川照之セクハラ事件、日本と全く異なるアメリカの見方
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/71693

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