南アフリカ共和国の一日当たりの新型コロナ感染者数が4日間で4倍になるなど、爆発的に広がり続けている。オミクロン株の感染震源地となっている同国ハウテン州では、実効再生産数（１人の感染者が何人に感染を広げるかを示す指数）が2.33と過去最高を記録。さらに観光地ケープタウンがある西ケープ州でも２に達しているという。これらの指数から、オミクロン株の感染力の強さが分かる。
現在、主な新型コロナウイルスのタイプは「デルタ株」だが、「オミクロン株」に置き換わろうとしている。
11月30日 世界16か国に広がり、日本でもでも初感染者確認
12月 1日 世界19か国に広がる
12月 1日 世界21か国に広がる
12月 3日 世界26か国に広がり、アメリカでも初感染者確認
12月 4日 世界38か国に広がる（午前9時現在）
12月 2日発表の米ジョンズ・ホプキンズ大学とブルームバーグの集計データによると、世界の新型コロナ感染者数は２億6440万人、死者は523万人をそれぞれ上回り、現在も増加中である。
これまでの新型コロナウイルスとの違いはその強力な感染力。南アフリカ国立伝染病研究所（ＮＩＣＤ）によると、オミクロン株の再感染リスクは他の変異株の３倍と報告しており、12月2日に確認された新型コロナウイルスの新規感染者が1万1535人とこの2週間ほどで30倍以上に増えている。また首都プレトリアの保健当局によるウイルスのサンプル調査で、今年9月には「デルタ株」が91％を占めていたが、11月には「オミクロン株」が74％と、急速に置き換わっている。これは南アフリカだけのことではなく世界中で進行している減少であると思われる。
研究者の多くはワクチン接種済みであれば、症状は軽い可能性が高いとの見解も。オミクロン株にもある程度ワクチン効果が効いているとみられ、感染してもワクチンが重症化を防いでいるのではないかともみられるが、2～3週間で各研究機関からの報告が報道されるまで待つ必要がある。
ただ気になる報道もある。南アフリカの入院患者のうち、２歳未満の乳幼児の入院率が約10％であることを南アフリカの国立伝染病研究所（ＮＩＣＤ）が明らかにしている。南アフリカで国内病院のコロナ監視システムの開発・管理に携わったジャサト氏は、「幼児は免疫システムが未熟でワクチン接種を受けていないため、より大きなリスクにさらされている」と説明。入院率の高さは、新たな変異株の出現で親が一層用心深くなっていることも一因の可能性があると語ったという。さらに「現在の波の初期段階で、入院に占める子供の割合は過去よりも高いようには見える」とも指摘しているという。日本でも気を付けることに越したことはないと考える。
オミクロン株の今わかっている特徴は、「極度の疲労感」「頭痛」「のどの咳や痛み」などがあり、デルタ株によく見られる「味覚」「嗅覚」「呼吸困難」などの異常がオミクロン株の患者には「ほとんど見られない」という。
これらの症状は南アフリカ患者の特徴であって、日本に入ってくるオミクロン株には別の特徴も加わる可能性もあり、感染対策はこれまで通り続けて頂きたい。
日本政府も3回目の接種を前倒しすることを表明。接種後「原則8カ月」を待たずに3回目を接種できる体制をめざすと伝えられている。
今後は3回目接種とともに、新型コロナの飲み薬開発が急速に進んでいることもあり、もう少しコロナ対策を続けていきましょう。
参考
【新型コロナ】南ア感染急増、米６州に拡大－独専門家「長期戦」警告 Bloomberg News
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-12-03/R3JPIGDWRGG101
オミクロン変異株の感染震源地、入院患者の１割は２歳未満
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-11-29/R3COFLDWX2PT01
オミクロン株 南ア医師“デルタ株と症状異なり 呼吸困難ない”
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211203/k10013373951000.html
日本でも「オミクロン株」初確認 南ア・医師会会長は「症状軽い」と説明も 現段階で判明していることは
https://news.yahoo.co.jp/articles/29be27599071cd6178a0ba7c8ce2ed29f851d65a
「オミクロン株」現時点で判明の内容を徹底解説
https://abema.tv/video/episode/89-98_s10_p741?utm_medium=web&utm_source=abematimes&utm_campaign=times_yahoo
オミクロン株「重症者ほとんどいない」南ア医師会
https://news.yahoo.co.jp/articles/43af198861b0fa5d3ca2db54ee18aaa0a8c42524
オミクロン株、「極度の疲労」が特徴か 南アで診察医師、取材に
https://mainichi.jp/articles/20211129/k00/00m/030/447000c
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