日本人のみを対象とした検査で5つにタイプが分かれる「腸内細菌」の種類と傾向が分かった

健康

6月20日にNHKのクローズアップ現代で「腸内細菌の知られざる力 体質改善からがん治療まで最新情報!」が放送された。以前より体の健康と腸内細菌の種類による相関関係が指摘されていたが、日本人のみを対象とした腸内細菌叢タイプを定義し、疾患との関連性を評価されたのは初めてとなる。今後これらを手がかりにより幅広い調査が行われる。

日本人のみを対象とした初めての研究

この研究は2022年3月20日、京都府立医科大学、摂南大学、株式会社プリメディカの三者共同研究による「腸内細菌叢研究データベースの統合的解析による腸内環境評価システムの開発」を実施し、論文が学術雑誌『Microorganisms』に掲載された。
【論文】腸内細菌叢研究データベースの統合的解析による腸内環境評価システムの開発

Typing of the Gut Microbiota Community in Japanese Subjects
Gut microbiota are involved in both host health and disease and can be stratified based on bacteriological composition. However, gut microbiota clustering data ...



健康な人からさまざまな疾患を持つ人まで、16の臨床研究で得られた1,803人分の日本人の腸内細菌叢データを統合解析し、日本人腸内細菌叢データベースを構築。それらをタイプ別に表し分類したという。
以前より健康と腸内細菌の関係は示唆されていたが、人種や食生活などの様々な背景の違いで測定結果が大きく影響を受け、結果の解釈が分かれることが課題となっていた。

腸内細菌の数は100兆個以上

私たちの腸内にはおよそ1000種類の細菌が100兆個以上存在し、その重量は約1.5kgから2kgといわれている。腸は「第2の脳」とも言われ、多様な腸内細菌が正常に共存することでバランスを保ち、それが自律神経や免疫力、筋肉の働きにまで影響するといわれる。腸内細菌のバランスが崩れると生活習慣病や神経疾患などの病気にかかりやすくなり、免疫が低下するなどしてガンなども発症しやすくなる。

腸内細菌のバランスは一人一人違っており、より多様性に富んだ腸内環境を持った人のほうが病気のリスクが減り健康に生活できることが分かってきている。

トップアスリートは腸内細菌も整っている

摂南大学農学部応用生物科学科井上亮教授とスポーツ振興センター瀬川智広准教授、農学部食品栄養学科藤林真美教授、京都府立医科大学のチームは、摂南大学の学生アスリート(ラグビー部員)とトップアスリートの腸内環境調査を行い、比較検証を行っている。



その結果、

①トップアスリートの方が腸内細菌の種類が多い
②トップアスリートは炎症などを起こすコハク酸(悪い物質)の報告がなく、学生アスリートは一般人の5倍持っていた
③トップアスリートは酪酸(良い物質)を多数持っており、学生アスリートは持っていないものもいる

この結果を受け、食物繊維の摂取量を増やすよう指導を行い、4週間後の腸内環境の検査では、腸内環境と体調が劇的に改善する例を確認できたという。またニキビなども改善したという。
【摂南大学】学生アスリートの深刻な腸内環境が判明 コハク酸値が大腸炎患者レベル 食物繊維摂取で劇的な改善も期待

学生アスリートの深刻な腸内環境が判明 コハク酸値が大腸炎患者レベル 食物繊維摂取で劇的な改善も期待
NEWS RELEASE【No.11】  摂南大学(学長:荻田喜代一)農学部応用生物科学科井上亮教授とスポーツ振興センター瀬川智広准教授、農学部食品栄養学科藤林真美教授、京都府立医科大学のチ……
「エンテロタイプ」はタイプA~タイプEまである

人によって腸内細菌の種類と構成比率、多様性が違う。そうした腸内環境の傾向の違いをタイプ別に分類したものを「エンテロタイプ」と呼び、この研究では5つのタイプに分類している。
欧米の研究では3~4種類に分類されていたエンテロタイプだが、日本人の体質や発酵食品などを多くとる食習慣のため世界の型に当てはめるのは難しく、今回5つのタイプに分類したという。




各タイプ別の特徴は次の通り。

タイプA:高タンパク・高脂質を多く摂取する食事
タイプB:バランスの取れた良い食事
タイプC:炭水化物を多く摂取している偏った食事
タイプD:高タンパク・高脂質、マヨネーズを多く摂取し、漬け物などは少ない食事
タイプE:野菜や魚などを多く摂取し、バランスの取れた良い食事


食物繊維を多く摂取しプレボテラ属の菌が多く生息するタイプEが最も健康な人が多く、タイプBが2番目に健康な人が多いと示された。その一方で、タイプAでは生活習慣病との関係が特に高く、タイプEに比べて心疾患との関連性は14倍、糖尿病では12.5倍。さらに、タイプDでは炎症性腸疾患(IBD)の関連性が27倍に上ることが明らかになっている。

健康な腸内環境を作るには

食事で大切なのは腸内のバランスを整える食べ物と、腸内細菌を活性化させる食べものの2つ。
腸内のバランスを整えるには、ビフィズス菌や乳酸菌、酪酸菌といったヨーグルトなどに含まれる特定の菌を腸に入れることが効果的。他には、納豆やキムチ、ぬか漬けなどの発酵食品にも多く含まれているものを積極的に摂取することが重要となる。
ヨーグルトや発酵食品に含まれている菌のほとんどは胃の消化過程で死滅するため、お腹の中に定着することはないことが分かってきている。しかし、健康効果や機能性を期待して摂取する場合は、食べ続けることが重要となる。
一方、ヨーグルトなどを食べてお腹のハリや下痢をする人もいる。こういった症状が出た場合は体にあっていないため、すぐに止める必要がある。



体内に取り入れた細菌を活性化させるには、食物繊維やオリゴ糖などを多く含んだ食材をとることも大切で、食物繊維が腸内細菌の増加と体によい働きをする物質を作り出す効果があるため、体質の改善や健康の維持へとつながる。
食物繊維にも様々な種類があるが、なかでも「水溶性食物繊維」は腸内環境を作るのに高い効果を発揮する。水溶性食物繊維は、リンゴやバナナなどの熟した果実、海藻類、大豆、大麦、寒天に多く含まれている。

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AIが診断し、腸内年齢や食生活の改善、どのような運動を行うことでより高い効果が得られるかなどの診断を行い、さらに病気や疾患のリスク判定もしてくれる。この検査で得られた情報をその後の生活に生かすことができれば、将来病気にかかりにくい丈夫な体を作ることにつながる。

この機会に将来の病気の予防と日々の健康維持のためにも、自分の腸内細菌の状態を知り、食生活を始め運動などを見直してみてはどうだろうか。
参考
【摂南大学】「日本人の腸内細菌叢タイプを定義し、疾患との関連性を評価」健康な人からさまざまな疾患を持つ人まで、多数の日本人を対象とした腸内細菌叢解析を実施
https://www.setsunan.ac.jp/news/detail.html?id=5548
【摂南大学】腸内環境検査で10疾病との関連性が明らかに 国内屈指の日本人データ蓄積 本学初のベンチャー
https://www.setsunan.ac.jp/news/detail.html?id=5409
【摂南大学】全国初! 腸内フローラ検査サービス「Flora Scan」が大阪府枚方市のふるさと納税返礼品に採用
https://www.setsunan.ac.jp/news/detail.html?id=5602
【NHK】自分の腸内環境を知る
https://www.nhk.jp/p/gendai/ts/R7Y6NGLJ6G/blog/bl/pkEldmVQ6R/bp/p2GNPYGy7K/
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https://furu-sato.com/osaka/210

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