今日取り上げるのは、綾野 剛、北川 景子が主演する2020年11月13日公開の映画「ドクターデスの遺産」です。上映開始からもうすぐ1ヶ月。クロ現のALS特集とともに生と死の問題を考える。
< 目 次 >
1 映画「ドクターデスの遺産」について
2 あらすじ
3 クロ現のALS特集とともに考える
4 生と死について
綾野 剛、北川 景子が主演する2020年11月13日公開の映画「ドクターデスの遺産」は人の生きる権利と死ぬ権利の核心を突くヒューマンドラマで、この作品は中山七里さんの推理小説「刑事犬養隼人シリーズ」の第4弾。テーマは安楽死。
この作品のモデルは実在の人物で、「ドクター・デス」と呼ばれ、130人もの患者を安楽死させたアメリカの医師「ジャック・ケヴァーキアン」。1999年に殺人罪で服役し、仮釈放後、亡くなるまで安楽死・尊厳死の啓蒙活動を続けた。
綾野 剛、北川 景子共演で映画化されたが、二人の息もぴったり。それもそのはず、二人は同じ2003年に戦隊ものでデビューし、お互いが信頼し合える関係ができている。本人たちもテレビのインタビューに「圧倒的な安心感と波長が合う」と応えている
映画の後半で犬養 隼人(いぬかい はやと・綾野剛)を高千穂 明日香(たかちほ あすか・北川景子)が平手打ちをするシーンがあるが、「あうん」の呼吸で一発OK!さすが息ピッタリ!
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警視庁にひとりの少年から「悪いお医者さんがうちに来てお父さんを殺した」との通報が入る。当初はいたずら電話かと思われたが、捜査一課の高千穂明日香は少年の声からその真剣さを感じ取り、犬養隼人刑事とともに少年の自宅を訪ねる。すると、少年の父親の通夜が行われていた。少年に事情を聞くと、見知らぬ医者と思われる男がやってきて父親に注射を打ったという。日本では認められていない安楽死を請け負う医師の存在が浮上するが、少年の母親はそれを断固否定した。次第に少年と母親の発言の食い違いが明らかになる。そんななか、同じような第二の事件が起こる――。(amazonより)
全てのネタバレは他のサイトに任せるとして、犯人の雛森めぐみがドクターデスとなり安楽死をさせる要因となった医療現場の経験は命について考えさせられた。血の海、千切れた手足、露出した臓器、病院がそのまま地獄の真っただ中となる過酷さ。手を尽くしても亡くなる命と命は助かっても望みのない人生の二者択一を選ばざるを得ない。そんなことを考えさせられた。
この作品を見る前に2020年10月14日、NHKのクローズアップ現代でALS(筋萎縮性側索硬化症)の特集をしているのを見ていたのでとても考えさせられた。
もし自分がALSとなり、家族やヘルパーに24時間介護してもらうようになったら・・。家族の負担、介護費用、将来治る見込みが無いなら、きっと死ぬ方法を考えると思う。
特集の中で語られていたのは、答えの出ない生と死の問題。実際今年7月。難病ALSを患う女性から依頼を受け、薬物を投与し殺害した疑いで医師2人が逮捕されている。
犯人が捕まってもスカッとはしない映画だった。何が正しくて、何が間違っているのか。確かに人を死なせても良い権利は誰にも無い。
しかし物語の中にも語られていたように、死を待つだけの負傷者を見てきた者や、近親者が治る見込みのないケガや病で激しい苦痛に苛まれるのを目の当たりにすると、そこから少しでも早く救ってあげたいという愛情から安楽死という選択もあるのだろうか。個人としては最後をどのように終わりたいか、自らの死期が近づく前に考えることが求められているのかもしれない。
犯罪行為を厳格に取り締まるのは、社会を維持発展させるためには必要。しかし苦痛にさいなまれている状態をそのままにもできないという、この相反するモラルジレンマに導き考えさせる作品。この作品は、どのような判断を下し、どのように行動するか。みなさんは自分の最期をどのように終わりますか。
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さらに映画を見た後原作を読むと、映画で描ききれなかったところも見えてくるかも知れません。
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