日本の近未来を想像させるイギリス社会の日常を描いた『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』

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『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』ブレイディ みかこ著/新潮社 1,350円+税

今日皆さんに紹介するのは、ブレイディ みかこさんの『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』という本です。この本はブレイディ みかこさんと息子さんがイギリス社会の中で生活する日常を描いたものです。

日本人と英国人の価値観の違いや貧富の差、肌の色などによる差別など、社会的格差や人種間の分断が進むイギリス社会。異なる他者を受け入れる事の難しさや羨ましく思う気持ちなどが、ユーモアを交えながら描かれています。
ブレイディ みかこさんは中学生の息子とともに悩みながらも精神的に強くなる子供の成長を喜び、親も一緒に成長する姿が描かれていると思います。この本に描かれているのはイギリス社会ですが、近い将来日本でもこの本に描かれているような問題が起こると思います。何故なら今の日本も深刻な格差社会に突入し始めており、社会保障や経済立て直しのために政府が莫大な予算を使い続けています。



新型コロナの再拡大により12月24日16時現在、全国に841事業所が倒産していることが判明しており、法的整理744件(破産708件、民事再生法32件、特別清算4件)、事業停止97件 の状況です。(帝国データバンク調べ)
倒産の主な企業はこれまで順調に売り上げを伸ばしていた「飲食店」(132件)、「ホテル・旅館」(71件)、「建設・工事業」(65件)、「アパレル・雑貨小売店」(52件)、「食品卸」(43件)、「アパレル卸」(29件)などが軒並み不振となっており、派遣切りや解雇によって年末を路頭で過ごさねばならない人は数万人に上ります。政府は巨額の補助金をばらまいており、来年度の一般会計の予算は107兆円。これらのツケは後世の人が払うことになります。
イギリスでも1960年頃に社会福祉と産業保護に力を入れるため、政府が莫大な財政支出を続け、1976年に経済破綻(英国病)が起こりました。その状況は今の日本に似ています。
また人口の急速な減少で労働力不足が深刻化しており、今後外国からの労働者を受け入れざるを得なくなります。その時この本で描かれていることが日本でも現実に起こると思われます。


以上のことからこの本は近未来の日本を表している警告の書かもしれません。
ぜひ一度読まれることをおすすめします。

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー [ ブレイディ みかこ ]

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