11月11日、正体不明の芸術家、バンクシーが3点の画像をSNSに投稿。場所はウクライナキーウ近郊の街、ボロディアンカで発見され世界中で話題となった。なぜボロディアンカだったのか。それは理不尽なロシア軍侵攻による破壊と暴力を象徴する都市の一つだからだといわれている。
ボロディアンカは、ウクライナの首都キーウの約56キロ北西に位置し、戦争が始まるまでこの街には1万3000人の住民が平和に暮らしていた。しかしロシアのウクライナ侵攻で街の大部分が廃墟と化し、現在は数十名ほどしか暮らしていないという。
バンクシーがこの街で絵を描くことを決めた理由に、理不尽なロシア軍侵攻による破壊と暴力を象徴する都市のひとつだからといわれている。
最初に発見された作品は、ロシアの攻撃によって破壊されたビルの横のがれきの山の上でバランスを取る女子体操選手を描いたもの。さらに別の作品には、柔道着に黒帯を締めた小柄な少年が、大人の男性を仰向けに投げ飛ばす姿が描かれている。ほかにも、金属製の対戦車障害物をシーソーとして使う2人の子どもを描いた作品や、ヘアカーラーとガスマスクを着けた姿で消火器を持つ女性を描いた作品もある。
バンクシーは英国の医療介護団体のためオークションに出品した絵画は過去最高の2310万ドルで落札したり、作品のTシャツ販売では英ブリストルで奴隷取引商人エドワード・コルストンの像を倒したことで逮捕された人種差別反対の活動家を支援したりもしている。
今回の作品づくりでは多くの目撃者がいたことでバンクシーのことが少しずつ分かってきた。
ボロディアンカでは、作業服を着た4〜5人の男性が大きなバンでやってきて、スプレーと型紙を使って絵を描いていたという。その中で一番年長の40〜50歳代の髭を生やした白人の男性がバンクシーなのではと推測されている。背の高さも普通の高さであったという。また作品づくりを手伝っていたのは30~35歳くらいだったとの証言がある。
バンクシーはボロディアンカだけでなく、キーウ近郊ホレンカにも移動し作品を描いている。
11月26日に目撃者によると、建物前に救急車と大きな車の2台が止まってい他のを不審に思い見に行ったところ、目の部分だけ出すマスクのようなものを着けた2人組が壁に絵を描いていた。また翌日に再び現れ、支援物資を届けてくれたという。
このことからバンクシーはこの1カ月間近くウクライナに滞在していた可能性がある。
ウクライナの冬は寒い。特にロシアのインフラ攻撃で電気が使えない状況の中を暮らさないといけない辛い冬が始まっている。
早期の終結が望まれている。
参考
ウクライナに突如出現! バンクシーからのメッセージを読み解く
https://friday.kodansha.co.jp/article/276291
“バンクシー”がウクライナに? 目撃情報「5人で」「動作速く」「一番年上が…」
https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000275616.html
ウクライナに新作壁画7点、バンクシーが確認
https://www.cnn.co.jp/style/arts/35196063.html
バンクシーは男性2人組 ウクライナ住民が目撃証言
https://news.yahoo.co.jp/articles/658db8c2f38810843babfd6535b3cb26ea40ace3
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