イーロン・マスク氏によるTwitter買収でTwitterから誤判定される人が増えるかも

インターネット

ネットの最新ツイートを検索する時Twitterは大きな役割を果たしてきた。しかしTwitterの信頼性および安全性を守るためのコンテンツモデレーション部門が無くなり、AIの結果のみで判断すると、誤判定が増加する可能性が高まるかもしれない。

買収でTwitterはイーロン・マスク氏個人のものに

米電気自動車大手テスラのイーロン・マスク氏がTwitterを買収し、全世界の従業員7500人のうち、約3700人を、また同数の非正規従業員を解雇したという。

マスク氏の大胆な解雇はTwitter社の収益率を上げるためで、これまで収益に対する人件費がかかり過ぎていたという。
今後マスク氏は「非上場化して、言論の自由を実現する」と買収の理由を述べている。

なぜ人件費がかかっていたのか

2021年12月期の売上高は、広告収入や検索エンジンサイトに対してツイートのリアルタイムインデックス化等による50億7748万ドル(約7000億円)だった。
しかしそれでも純損失は2億2141万ドル(約310億円)の赤字だった。



その最大の要因は人件費で、運営チームへの報酬を含む「売上原価」に17億9751万ドル(約2517億円)、エンジニアへの報酬の「研究開発費」が12億4670万ドル(約1745億円)、セールスやマーケティング部門の「販売費」が11億7597万ドル(約1646億円)、役員や管理部門の報酬の「一般管理費」が5億8434万ドル(約818億円)もかかっている。

「売上原価」や「研究開発費」の中には検索エンジンサイトに対してツイートのリアルタイムインデックス化が含まれるが、部門まるごと解雇したため、機能不全に陥り、Twitterに投稿した写真や投稿などが突然アカウント凍結(BAN)された人が出てきている。

AIが流れ星の動画を「いかがわしい」と判定

英国の天文家メアリー・マッキンタイア氏は、流れ星の動画をTwitterに投稿したところ「被写体の同意なく共有されたいかがわしい内容」を含むと自動判定され、突然アカウントが凍結されたという。
彼女は、ただの流れ星のアニメーションを投稿しただけなのにポルノ動画を共有したことにされた。
これまではTwitterの信頼性および安全性を守るために、コンテンツモデレーション部門がAIの判定を人の目でチェックし最終的に判断してきたが、マスク氏が部門ごとほとんどの人を解雇し機能不全になったともいわれている。



マッキンタイア氏には当初、12時間のアカウント凍結処分がくだされ、その間に投稿を削除する必要があった。しかし彼女はその時間を、不服申立てのための窓口を探しコンタクトをとることに費やしたが本人はTwitterにログインできない状態が続いたという。
また彼女の窮状を知ったBBCがTwitterのサポートに接触を図ったが、マスク氏の方針でコミュニケーション部門を撤廃したため、仕方なく今度はSpaceX経由でマスク氏に連絡を取った。が、それでも反応はないという。

このような誤判定の例は他にもあり、アカウント停止が現実となっている。
これは他人事ではない。
何の問題もない投稿でもAIの判断によっては突然アカウント凍結が誰の身にも起こりうることを表している。
参考
TwitterのAIが流れ星の動画を「いかがわしい」と判定。天文家のアカウントが凍結される
https://nordot.app/966181485746012160?c=581736863522489441
Twitter大量解雇直後にマスク氏が通達した「真っ当な経営方針」の中身
https://diamond.jp/articles/-/313092
ツイッター、大量解雇の影響で不具合続々。ワールドカップのトラフィック急増で大規模障害の懸念も
https://www.businessinsider.jp/post-261932
Twitter大量解雇、イーロン・マスクはネット言論を甘くみている? 「クズの中にも良い指摘がある」〈dot.〉
https://news.yahoo.co.jp/articles/646ffed9d852d464764856e29793b304cf03d119

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