日本を含め44の国と地域にオミクロン株の感染が広がっている。
新たな変異「オミクロン株」が感染している感染国と地域(12月6日16時現在)
日本、香港、韓国、インド、シンガポール、マレーシア、スリランカ、タイ、モルディブ、
【オセアニア】
オーストラリア
【中東】
イスラエル、サウジアラビア、UAE=アラブ首長国連邦
【アフリカ】
南アフリカ、ボツワナ、ナイジェリア、ガーナ、ジンバブエ、チュニジア、ザンビア
【ヨーロッパ】
イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、オランダ、ベルギー、デンマーク、チェコ、オーストリア、スウェーデン、フィンランド、ノルウェー、スペイン、ポルトガル、スイス、アイルランド、ギリシャ、アイスランド、ルーマニア
【北米】
アメリカ、カナダ
【中南米】
メキシコ、ブラジル、チリ
また今日もイタリアに滞在歴がある30代男性が「オミクロン株」に感染していたことが分かり、国内では3例目となった。
他のテレビ番組内のコメントであるが、来年1月~2月にかけて感染が広がる報道もされている。これまで継続してきた感染対策をするとともに、「換気」や「石鹸によるこまめな手洗い」にも気をつけていきたい。
東京都福祉保健局が「オミクロン株に関する情報」を題している。一読されることをすすめる。
【東京都福祉保健局】
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/iryo/kansen/corona_portal/henikabu/omicron_info.html
日本国内の接種人数と全人口に占める割合(12月6日現在:首相官邸情報)
2回目 9768万5248人(77.1%)
3回目 8657人(約0.006%)
【NHK】日本国内のワクチン接種状況
https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/vaccine/progress/
接種のスタートで遅れをとった日本であるが、英オックスフォード大の統計サイト「Our World in Date」によると、2回接種した人の割合は先行していた米国や、先進国で最も早く接種を開始した英国を抜き、G7でトップとなっている。
さらに日本国内には海外のように感染が広がっていない。これは日本人の真面目な気質とマスク・手洗い・感染を防ぐ行動様式が合わさっていることが原因であろう。
しかしワクチンを打つだけでは新たに発生した「オミクロン株」のような新型コロナウイルスを防ぐことはできない。
米製薬大手メルクの日本法人MSDは12月3日、新型コロナウイルスの治療薬候補「モルヌピラビル」について、厚生労働省に製造販売承認を申請した。承認を得られれば、軽症・中等症の患者向けで国内初の飲み薬となる。メルクは新たな変異型「オミクロン型」に対しても有効である可能性が高いとしている。世界的な感染拡大が懸念されるなか、自宅で治療しやすくなる飲み薬が国内で認められれば、医療機関や患者本人の負担軽減につながる可能性が高いと思われる。
ウイルスが増殖するためには宿主が必要で、新型コロナウイルスの場合は人間である。新型コロナウイルスが人の細胞の中に侵入し、細胞の中でウイルスRNAを複製し増殖。増殖したウイルスが咳などで飛沫とともに次の宿主に移動することを繰り返す。飲み薬は抗ウイルス薬と呼ばれ、体内に進入したコロナウイルスRNAの複製・増殖を直接阻害する働きがあり、ワクチンのように効果が低下することがあまりないため、治療薬として本命視されている。
新型コロナ専用の薬のタイプは大きく分けて3種類ある。
抗体医薬と呼ばれる「抗体カクテル療法」と「ソトロビマブ」は、ウイルスが細胞に侵入する際、表面の突起にとりつく「スパイクたんぱく質」を標的に攻撃する薬で、患者が軽症のうちに重症化を防ぐために点滴で投与される。
海外での臨床試験で、感染した人の入院や死亡のリスクが「抗体カクテル療法」で約70%、「ソトロビマブ」では約79%低下したと報告されている。しかしオミクロン株は「スパイクたんぱく質」におよそ30もの変異があるため、ウイルスの細胞への侵入に影響が出るおそれがあるもいわれている。
細胞内でウイルスが増殖するのに必要な酵素が作られるのを防ぐ薬で、中等症や重症の患者に使われている点滴薬「レムデシビル」が有名。現在、感染した人が自宅などで療養する際にも使えるよう、主に軽症者用の飲み薬としての開発が進められており、アメリカの製薬大手メルクが開発し、厚生労働省に承認申請した飲み薬「モルヌピラビル」や、ファイザーが開発し、アメリカで緊急使用の許可を申請した飲み薬「パクスロビド」、塩野義製薬が開発中の飲み薬などがある。臨床試験での入院や死亡のリスクでは、発症から5日以内の投与で「モルヌピラビル」が約30%、「パクスロビド」は約89%低下したと報告されている。このタイプの薬は細胞内に入ったウイルスに作用するため、オミクロン株に対しても効果は変わらないのではないかといわれている。
増殖したウイルスに過剰な反応をする免疫の働きを抑える「デキサメタゾン」「バリシチニブ」などの薬は、もともと新型コロナウイルスのために開発されたものではないため、変異とは関わりなく、効果があるとみられている。
愛知医科大学の森島客員教授は
と話している。すでに使用されている薬もあるが、より効果の高い薬が一日も早く実用化されることを願っている。
参考
続々登場? 新型コロナの飲み薬、今わかっていること
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD156UI0V11C21A1000000/
米メルク、日本でコロナ飲み薬の承認申請
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC12BY60S1A011C2000000/
続々登場? 新型コロナの抗ウイルス飲み薬、今わかっていること
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/21/110900547/
新型コロナウイルスワクチン 日本国内の開発・接種状況は(12月1日更新)
https://answers.ten-navi.com/pharmanews/20139/
オミクロン株、国内3例目の感染確認…イタリア滞在歴ある30代男性
https://www.yomiuri.co.jp/national/20211206-OYT1T50136/
【日本医療研究開発機構】新型コロナウイルスの増殖を抑える核酸代謝拮抗薬の発見―コロナウイルスやフラビウイルス等、広域的抗ウイルス薬としての期待―
https://www.amed.go.jp/news/release_20210914-02.html
【NHK】オミクロン株に治療薬は効くのか? 点滴薬と飲み薬で違いが…
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211206/k10013376281000.html
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