これまでのワクチンと比較して副反応が少ない第4の新型コロナワクチン「ノババックス」国内生産へ

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今回了承されたのはノババックス社製ワクチンで、ウイルスのたんぱく質の一部を使う「組み換えたんぱくワクチン」。mRNAを使ったワクチンのモデルナ社やファイザー社と比較して副反応が少ないといわれている。これまでアレルギー症状がありワクチン接種できなかった人々にワクチン接種できる可能性が高まっている。

第4の新型コロナワクチン「ノババックス」国内生産へ




厚生労働省は4月19日、米バイオテクノロジー企業ノババックス社が開発した新型コロナワクチンを正式に承認した。国内で使える4種類目の新型コロナワクチンとなる。
【厚生労働省】ワクチン開発と見通し

新型コロナワクチンの開発支援について
新型コロナワクチンの開発支援について掲載しています。

「ノババックス」が作成したワクチンは、「組換えタンパクワクチン」で、新型コロナの遺伝子を基にウイルス表面にあるたんぱく質を合成、さらにワクチンの効果を高める免疫補助剤(アジュバント)が添加され、体内に投与される。接種後、体内でたんぱく質がウイルスと認識され、抗体を作る細胞が刺激され抗体ができる。しかしこのワクチンのタイプは、1回接種では必要な免疫を獲得・維持できないため、一般に複数回の接種が必要となるといわれている。

代表的なワクチンとしては、DPT-IPV:四種混合ワクチン(D:ジフテリア・P:百日せき・T:破傷風・IPV:不活化ポリオ)、DT:二種混合ワクチン(D:ジフテリア・T:破傷風)、日本脳炎ワクチン、インフルエンザワクチン、B型肝炎ワクチン、肺炎球菌ワクチン、ヒトパピローマウイルスワクチンなどがあり、多くの人が幼児や小児の時に接種した経験をもつなど、比較的安全性が高い。

臨床試験の効果と副反応

ノババックス社の新型ワクチンの商品名は「ヌバキソビッド筋注」。日本での製造は武田薬品工業が行う。
厚生労働省の会見によると、臨床試験はアメリカやメキシコと、イギリスで実施された。




アメリカやメキシコで実施された3万人規模の試験では、90.4%の発症予防効果が確認され、イギリスで行われた1万5000人規模の試験では、89.7%の発症予防効果が確認された。特筆すべきは副反応で、治験ではほとんどが軽度だったという。そのため厚生労働省は、これまでのワクチンで、アレルギー反応が出た人などに使用することを想定しているという。
ノババックス社とは1億5000万回分の供給を受ける契約を結んでおり、承認されれば、5月下旬から各自治体に配送を始める。
まず1、2回目にアストラゼネカ社製のワクチン接種を受けた人(約6万人)に対し、3回目でノババックス製を接種するケースも想定して、およそ10万回分を自治体に配送する。
厚生労働省もホームページでノババックス社の新型ワクチンの特性や流通について特設ページを作成し周知に努めている。



【厚生労働省】新型コロナウイルスワクチンの接種体制確保に係る自治体説明会(第12回)

https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000918854.pdf

また武田薬品工業も特設サイトを作成している。
武田薬品COVID-19 ワクチン関連特設サイト

武田薬品COVID-19ワクチン関連特設サイト(日本)|武田薬品工業株式会社

アレルギー症状がある人がワクチン接種できれば、本当の意味でアフターコロナの生活が充実したものにできるのではないだろうか。
大いに期待したい。

参考
国内で4例目 米国ノババックス開発ワクチン承認へ
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000251924.html
【厚生労働省】新型コロナワクチンQ&A
https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0018.html
“第4のワクチン”ノババックス製を承認へ アレルギー反応が出た人などに使用想定
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000251944.html
ノババックス製は「組み換えたんぱくワクチン」 使い道が焦点に
https://mainichi.jp/articles/20220418/k00/00m/040/177000c
合成たんぱくで抗体作製 遺伝子組み換え、広い使途―米ノババックス製コロナワクチン
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022041800847&g=soc

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