病院や介護施設でクラスターが発生し、感染者の増加に拍車がかかっているなか、大江戸線の運転士39人が新型コロナウイルスに集団感染したと1月14日に報道されている。感染源は洗面所の手回し式蛇口で広がった可能性が高いという。また企業や学校内でも、共用パソコンのキーボードからクラスターが発生している。「ハザードラボ」が2020年02月11日に、ドイツの研究チームがコロナウイルスが物質の表面でどれくらい感染力を保持するのか調査したと報道した。それによると、咳やくしゃみによる飛沫や、付着したものに触れることによる接触で感染すると言われている中、ドイツの研究グループは、ウイルスがドアノブやテーブルなどの表面で最大9日間にわたって感染力を保持するという見解を発表した。
<目次>
1 コロナウイルスの驚異的生命力
2 コロナウイルスの生存期間
3 主な感染経路
4 対策
独ルール大学ボーフムとグライフスヴァルト大学病院衛生研究所の研究グループは、新型肺炎と同じコロナウイルスの仲間である「SARS(重症急性呼吸器症候群)」と「MERS(中東呼吸器症候群)」に関する22本の論文を精査した。その結果、病院のドアノブやベッドサイドテーブル、ナースコール用のベルなどの金属やプラスチックに付着したウイルスが、感染力を維持した状態でいられる期間は最長9日間だとする結論づけた。
②特に気温が低くて、湿度が高い場所ではウイルスの寿命が伸びる傾向がある。
③消毒は、エタノール(濃度62〜71%)のほかに、殺菌剤や漂白剤として使われる過酸化水素水(オキシドール:0.5%)と、塩素系漂白剤を適切に薄めた次亜鉛酸ナトリウム(0.1%)を使えば、ウイルスの数を100万個から100個まで低減させることができる。
2 コロナウイルスの生存期間
②銅の表面 4時間(銅イオンの微量金属作用には、細菌類を死滅させる性質がある)
③ボール紙の表面 24時間
④プラスチックの表面 2~3日間
⑤ステンレスの表面 2~3日間(他の金属でもほぼ同じ)
論文によると、病院のドアノブやベッド、 サイドテーブル、ナースコール用のベルなどの金属やプラスチックに付着したウイルスが、感染力を維持した 状態でいられる期間は最長9日間だとする結論を出している。グライフスヴァルト大学病院のギュンタ ー・カンプ氏は、「表面についたウイルスを消毒しないままでいると、平均4〜5日間は生き残る」という。
飛沫感染と接触感染が主であると考えられている。飛沫感染は、ウイルスを含む飛沫が直接口や鼻から入ることにより感染し、接触感染は、ウイルスを含む飛沫等によって汚染されたドアノブやテーブル等の環境表面に触れて、汚染された手指を介して感染する。さらにエアロゾル感染(空気感染)も考えられ、換気が悪い環境では、咳やくしゃみがなくてもエアロゾルと呼ばれるウイルスを含むごく小さな粒子が空中を浮遊し、感染の原因になる可能性がある。くしゃみをした場合、飛沫は3~6m先の床に落ちるか、飛沫の水分が蒸発して残る飛沫核になり、それがごく小さな粒子に付着することで感染する。
新型コロナウイルスの感染対策に有用な室内環境に関連する研究事例の紹介
http://www.siej.org/pdf/sarscov2v1.pdf
②アルコールによる手指消毒
③ドアノブや机などをアルコールやオキシドール、次亜塩素酸などで消毒
④部屋の対角線の窓やドアを開けて換気
⑤不要不急の外出を控える(夜だけでなく昼も)
⑥日常的に会わない人との会食を控える
⑦不特定多数の人が触るものに触れる機会を少なくし、除菌ペーパーや除菌ジェルで拭く
無症状の人が感染を広げている可能性が高いため、いつ誰が感染してもおかしくありません。甘く見ずに最大限の感染防止に取り組みましょう。
「ハザードラボ」2020年02月11日
http://www.daiichi-s.net/wb/data.html
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