未来を感じさせる記事を2つ。
1つ目は、ソニーが開発した空間再現ディスプレイ(Spatial Reality Display)のELF-SR1
2つ目が、リアルアバター(全身3Dアバター)
両方ともこれから様々なことに応用されるガジェットではないでしょうか。
ELF-SR1
これまで3D映像を見るためには、3D対応のプロジェクターやテレビに3D対応のメガネ、またはVRゴーグルやが必要でした。またピラミッド型の箱の下から映像を投影し表示させたり、水や霧に映し出すことで立体的に感じさせたりと工夫がなされていましたが、問題はクリアな映像にならないことです。
また新型のiPhoneや3DSでは小さい画面に擬似的に3D表示ができていますが、立体感やきめ細やかさなど、まだまだ発展途上と言わざるを得ません。
しかしソニーが開発した空間再現ディスプレイ(Spatial Reality Display)のELF-SR1は、3D対応のメガネやゴーグルを使わないでも見られる画期的な製品です。
もともとは2020年1月のハイテク技術見本市「CES}で技術展示していたものを実用化し商品化しました。
参考:ソニー ELF-SR1
この製品の画期的なところは、機械が人に合わせて映像を映すこと。ソニーは立体に見せるために独自の視線認識技術を開発し、機械が見る人の目の位置を常に検出し、左右それぞれの目に最適な映像を生成することで、裸眼でもクリアで色鮮やかな立体視体験を実現しています。映像はとてもリアル!!手を伸ばせば触れるのでは無いかと思うほど緻密で、その空間に物体そのものがあるように再現されています。
ソニーが独自に開発した視線認識技術の一つは、工場の検査などで使われている産業用高速イメージセンサーです。これは工場の製造ラインの検品などで使用されているもので、モノクロ映像ですが毎秒1,000フレーム/秒を認識できるたカメラを使い目の微妙な動きまで検出します。毎秒1,000フレーム/秒がどれぐらい高速だと思われますか?
通常の2Kテレビの映像が切り替わるスピードが60フレーム/秒程度、4Kでさえ120フレーム/秒なので、どれほど高速なのかがおわかりになると思います。
これを使うことで、「ディスプレイの映像生成の数倍の速度」で顔の位置を正確に把握し、各コマで「自分の視線位置に合わせた映像」を作ることができ、結果としてブレがなくなり、顔が前後や上下に動いてもそれに合わせた映像を用意できるようになりました。
ただソニー方式の欠点はセンサーの認識範囲を外れたり、複数人でセンサーの認識範囲に入ると誤動作を起こしたりすることで正確な像を作れなくなり、映像が正しく表示できません。「1人でしか使えない」ことが最大の欠点です。さらに表示のためのPCもハイグレードな製品が必要です。推奨PC環境として、CPUが「Core i7」相当以上、GPUが「GeForce RTX2070」相当以上、メモリ16GB以上などとなっています。
今はまだ15.6インチの4Kディスプレイでしかないので映像の迫力に欠けますが、これまでに無い高精細のなめらかな立体視映像が見れます。
先日も「ダヴィンチ」という手術を「支援」するために開発されたロボットが話題になりました。この手術を「支援」するロボットに空間再現ディスプレイがあれば、遠隔地の手術でも5Gでデータ送信し、その場にいるような映像を見ながらより正確な手術が出来るのでは無いかと思っています。
まだまだこれからの製品ですが、ソニーならきっと多視点にも対応できる製品を出してくれるものと期待しています。
ちなみに現在このディスプレイの価格は500,000 円+税です。まだまだ高いですね~(笑)
もう一つはリアルアバター技術で、人間を360度から丸ごと撮影し、デジタルの体をつくってくれるというもの。
このような製品はこれまでもありましたが、アバターのデータを作るためだけでも非常に価格が高かったり、体の一部だったりしていました。それがなんと全身3Dスキャンが撮影からデータ修正までして7800円という価格でできるそうです。HPのサンプルを見てもらえれば分かるのですが、スキャンした動かない3Dモデルではなく、自然な動きがある3Dモデルなのがとてもリアルで衝撃でした。
先日ニュースでコロナのために海外のバイヤーが自由に日本に来て製品を直接見ることが出来ず困っていることが報道されました。このリアルアバターはモデリングだけで無く動きも撮れるので、海外のバイヤーに説明しやすくなるのでは無いかと思っています。様々な場面で活用できる技術だと思います。
参考:リアルアバター
最後にバーチャルリアリティに関心がある方はHP(PANORA)をのぞいてみてはどうでしょうか?
参考:VIRTUAL REALITY JAPAN
テレビやネット、ゲーム、様々なメディアに街角の広告など、3DCGは日常で見かけない日はないと思われるぐらい使われていますが、実写ベースの3Dモデルはまだまだ発展途上です。
ソニーの空間再現ディスプレイやリアルアバターの技術がどんどん発展すれば、映画「スターウォーズ」やアニメなどで表現されている3Dディスプレイ表示も、そんなに遠い未来の話ではないかもしれませんね。みなさんはどう思われますか?
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