5~11歳の小児接種が開始されたが努力義務適用外 接種量が少ないためか感染予防効果に疑問符が

健康

オミクロン株の感染急拡大で、小児の感染者は急増している。厚労省によると、全国の新規感染者数のうち、小児など未成年の割合が増加しているという。





2月26日から新型コロナウイルスワクチンの5~11歳向け接種が一部自治体で始まった。対象となる5~11歳は700万~800万人ほどおり、有効成分量は12歳以上の3分の1の接種となる。ワクチンは2月21日過ぎから全国に配送されており、3月以降に準備が整った自治体から開始される。しかし米ニューヨーク州衛生当局が実施した調査で、12~17歳よりも感染予防効果が大きく劣ったことが分かった。

努力義務適用外となった理由

努力義務適用外となったのは、エビデンス(検証結果)が確定的でないため。小児であってもワクチン接種を行えば、抗体値が上昇することは分かっており、臨時接種は接種の勧奨が行われる。流行の主流である「オミクロン株」に対する小児の発症予防効果や重症化予防効果などが未確定であることが努力義務の適用にならなかった理由といわれている。今後は科学的知見を踏まえて、引き続き議論を深め、はっきりしたエビデンスが取れたときには変更されることも考えられる。



保護者からも副反応を心配する声も上がっており、厚生労働省は丁寧な情報発信に努めるとしている。
【厚生労働省】新型コロナワクチンQ&A
https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0126.html
【厚生労働省】小児接種について
https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/child/

妊婦は努力義務適用

これまで妊婦は努力義務適用外だったが、接種の有効性が高く、安全性の懸念もないとの知見が蓄積されてきたことや、妊娠後期に感染すると早産率が高まり、本人が重症化しやすいとの報告もあることから、新型コロナウイルスワクチンの接種の勧奨と努力義務が適用されることに変更された。

小児接種の効果と副反応

小児接種では、有効成分量が12歳以上の3分の1と少ない。この事はメリットとデメリットがある。

メリット
① 5~11歳の小児に対するワクチン2回目接種から1か月後の新型コロナウイルスに対する中和抗体の量(抗体価)は、成人と同等であった。
② 2回目接種後7日以降の発症予防効果は、5-11歳全体で90.7%であった。
③ 新型コロナウイルスに対して小児の発症予防効果や重症化予防効果が見られる



デメリット
① 抗体量が成人並みに上がるが、オミクロン株に対しての有効性を示したエビデンスが出ていない
② 大人同様に頭痛、37.5度以上の発熱、吐き気、痛み、腫れ、発赤・紅斑、下痢などの様々な症状を発症する小児が一定数出る
③ ワクチンの接種量が少ないため、12~17歳に比べて接種効果が早く落ちる

詳しい副反応の状況は「関市役所健康福祉部」が作成した「コロナワクチンの小児接種の効果と副反応について」を参考にすると良い。
【関市役所健康福祉部】コロナワクチンの小児接種の効果と副反応について
https://www.city.seki.lg.jp/0000017999.html

小児はワクチン接種効果が減少しやすい!?

米ニューヨーク(NY)保険当局の研究者らは2月28日、5~11歳の新型コロナウイルスのワクチンの効果は12~17歳に比べ、効果がより早く落ちるという研究結果を公表した。
昨年12月~今年1月にかけて、NY州でワクチンを2回接種した5~11歳の約37万人と12~17歳の約85万人のデータをもとに、感染者や入院者を比較し、ワクチンの効果を調べた。

① 感染予防効果(昨年12月中旬→今年1月下旬)
12~17歳は 66%→ 51%
5~11歳は 68%→ 12%
② 入院予防効果(昨年12月中旬→今年1月下旬)
12~17歳は 85%→ 73%
5~11歳は100%→ 48%




ニューヨーク州衛生当局によると、5~11歳用ワクチンの有効成分量は12歳以上の3分の1の量しかないため、接種量がワクチン効果の減少につながった可能性を示唆している。

それでもワクチン接種を勧めるのは





新型コロナの恐ろしいのは、症状が治まった後に出てくる後遺症で、酷い場合は短期で1~数ヶ月、長期の場合は1年以上も苦しむことになる。オミクロン株の後遺症で多いのは「倦怠感」。外見では見分けがつかないため、その辛さが分かって貰えない。また周期的に熱や下痢を起こしたり、体の痛みで動けなくなったりすることで、寝たきりに近い状態になることもあるという。さらにデルタ株の時よりかなり減少しているが、嗅覚障害や味覚障害が出ることも。それらを予防する意味でも、国は小児接種を臨時接種とし、接種の勧奨が行われている。
接種に関してはメリット・デメリットや副反応のことについて、本人と協議し同意の上で、保護者が最終決定をすることとなる。
厚生労働省のページや関市役所健康福祉部などを参考に決定すると良いのではないかと思う。

参考
小児接種、一部自治体で開始 5~11歳、3月本格化 新型コロナワクチン
https://news.yahoo.co.jp/articles/6de93dd4ad8f169113f6e11a55b1a26f179ce53a
小児は努力義務適用外 コロナワクチン、妊婦は対象に―厚労省
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022021001097&g=soc
5~11歳、感染予防効果劣る ファイザー製ワクチン―米調査
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022030100495&g=int

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