京都大iPS細胞研究所などのチームが、ヒトの筋肉細胞をiPSで作る際に、筋肉細胞だけ選別し取り出す技術を開発した。この技術を使い、筋肉の力が衰える難病「デュシェンヌ型筋ジストロフィー」を再現したマウスに選別したiPS筋肉細胞を移植し、筋肉を再生させることに成功。4月2日に米専門誌ステム・セル・リポーツに発表した。
チームは、昨年、様々な細胞になれるヒトのiPS細胞から、筋肉のもととなる「骨格筋幹細胞」を作り、難病を再現したマウスの右脚に注射して筋肉を再生させることに成功した。しかし、骨格筋幹細胞を作る際には、幹細胞以外の細胞もできてしまう。この時は骨格筋幹細胞だけを選び出すため、細胞を光らせる遺伝子をiPS細胞に組み込んでおり、ヒトの治療にそのまま応用することはできない方法だった。
【筋ジストロフィーモデルマウスにおけるヒトiPS細胞由来骨格筋幹細胞の移植効果を確認:京大】
https://www.cira.kyoto-u.ac.jp/j/pressrelease/news/200703-010000.html
これまでチームは目的の細胞だけを選び出す方法を探ってきた。その中で骨格筋を形成する能力のある細胞を選別する2つのマーカーとして、CDH13とFGFR4を見出すことができ、それぞれのマーカーをもとに選択された細胞をマウスに移植すると、骨格筋を効率よく再生させることを確認できた。これらの結果から、CDH13とFGFR4が、骨格筋幹細胞を純化するマーカーとして有力な候補であると結論付け、今後これらを目印に必要な細胞としてヒトへの治療につなげる研究を行うという。
【骨格筋幹細胞を純化する方法を確立 〜筋肉の細胞移植治療の実現に向けて〜:京大】
https://www.cira.kyoto-u.ac.jp/j/research/finding/210402-010000.html
筋ジストロフィー(きんジストロフィー、英語:Muscular Dystrophy)とは、筋線維の破壊・変性(筋壊死)と再生を繰り返しながら、次第に筋萎縮と筋力低下が進行していく遺伝性筋疾患の総称である。発症年齢や遺伝形式、臨床的経過等から様々な病型に分類される。その内、最も頻度の高いのはデュシェンヌ型である。2015年7月に難病指定され、日本国内のデュシェンヌ型の患者数は約5千人と推計されている。
現在のところ、根本的治療法はない。機能訓練や関節拘縮予防のためのストレッチ(理学療法)のほか、心不全・呼吸障害に対する対症療法が行われる。作用機序は明らかではないが、プレドニゾロンはDMD型筋ジストロフィーに保険適用がある。国産初のアンチセンス核酸医薬品として治療剤(ビルトラルセン)の臨床試験が開始され、2020年3月25日に承認されている。現在、新たな治療法・治療薬の開発が期待されている。
JMDA【最新医療情報】
https://www.jmda.or.jp/6/top6.html
wiki 筋ジストロフィー
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AD%8B%E3%82%B8%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%BC
参考
https://news.yahoo.co.jp/articles/46cd1d15ea9a7c71cc0a3551f779e7510eb94cce
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