これまでプラスチックによる海洋汚染の話題が多く取り上げられてきたが、包装やソフトドリンクの容器に含まれる微小なプラスチックが風に運ばれ、我々が気づかないうちに体内に取り込んでいる可能性があることが発表された。
今回の研究を主導したユタ州立大とコーネル大の研究者は、「プラスチックは現在、生物地球化学的循環に似た形で世界中を巡っている」と指摘。この研究結果は米科学アカデミー紀要に発表された。
現在、プラスチック廃棄物の大半は埋め立てや焼却、リサイクルに回されるものの、最大で18%が環境中に流出している。その多くは海洋に浮遊する。プラスチックは紫外線や波の力で断片化し、最終的にマイクロプラスチックとなって海の中や空気中を浮遊することとなる。
研究チームは今回、2017年から19年にかけて米西部で大気中マイクロプラスチックのデータを収集。その結果、米国では毎年推計2万2000トンのマイクロプラスチックが堆積(たいせき)していることが判明した。
いったん大気中に入ると、マイクロプラスチックは6日半にわたり空中にとどまる可能性がある。条件が整った場合、こうしたプラスチックは主要な海洋や大陸間を運ばれ、ありとあらゆる場所に降り注ぐこともあり得るという。
また過去には、調べた人全員の糞便からマイクロプラスチックが検出されたことが、2018年10月23日に欧州消化器病学会で、オーストリア、ウィーン医科大学の胃腸病学者であるフィリップ・シュワブル氏により発表された。
コロナ禍でテイクアウトが増えたため、プラスチック製の容器やフォーク、スプーンが多く使われている。私たち一人一人が自分の問題として考えていきたい問題である。
参考:
空気中のマイクロプラスチックは「地球を巡る」、汚染が循環 新研究
https://www.cnn.co.jp/fringe/35169313.html
人体にマイクロプラスチック、初の報告
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/18/102400459/
マイクロプラスチック 人体への影響と飲料水の対策
https://waterstand.jp/waterlife/water_environment/waterlife00083.html
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