新型コロナウイルスの感染が拡大しているが、世界で初めて新型コロナウイルスの“3D映像”を公開されて話題になっている。
世界では新型インフルエンザワクチンの接種が医療従事者を中心に始まっている。日本では2月から始まる予定だが、ワクチンとは別に開発が進んでいるのがCOVID-19の感染初期に投与することで、発症や重症化を防止するだけでなく、感染前に投与することで、ワクチンのように感染を予防することもできる「モノクローナル抗体」。
ヒトの体内のウイルス感染細胞や、がん細胞などの異物に対して、免疫細胞(B細胞)がこれらの異物(抗原)をやっつけるため、目印に結合する抗体を作ります。これを「モノ(単一)クローナル(混じりもののない集合)」と呼ぶ。
モノクローナル抗体とは?(中外製薬HP)
https://www.chugai-pharm.co.jp/ptn/bio/antibody/antibodyp11.html
すでに「モノクローナル抗体(抗体医薬)」は、関節リウマチなどの自己免疫疾患やがんなどの治療薬として、広く使われており、その市場は拡大を続けている。
モノクローナル抗体は血液から強力な抗体をつくる細胞を抽出して増殖させ作成する。モノクローナル抗体は持続期間が2~4週間で、他のウイルスへの感染リスクがなく、増殖できるため供給量を多い。
アメリカの製薬会社イーライリリー社と国立衛生研究所とアメリカの国立衛生研究所が共同開発をし、アメリカでは2020年中に、日本では2021年春頃に実用化されると見られている。
新型コロナウイルスを攻撃する「抗体」を人工的に作り出すことに島根大学などのグループがマウスを使った実験で成功。
研究を行ったのは、島根大学医学部の浦野健教授と長崎大学熱帯医学研究所のグループ。グループでは、マウスを使って新型コロナウイルスに反応する14種類の「抗体」を特定し、これらの「抗体」に実際に新型コロナウイルスを攻撃する働きがあるかどうかを実験。
その結果、このうちの5種類の「抗体」に、ウイルスを攻撃して働きを失わせる性質があることが確認された。
こうした「抗体」は「中和抗体」と呼ばれ、患者に対して人工的に作り出した抗体を投与する抗体医薬や、新型コロナウイルスの検査キットなどへの活用が期待されている。
グループでは1月22日に抗体の遺伝子配列などについて特許を出願し、今後はヒトへの応用を目指してさらに改良を進める。
浦野教授は、「5種類のうち4種類は、ウイルスを認識する部位が違っていて、多様性があるため、変異にも対応できるはずだ。これを薬にすることができれば、世界中で使ってもらえる非常に良い抗体だと考えている。今後、さらに研究や開発を進めていきたい」と話している。
今後のさらなる研究開発が期待されている。
参考:
島根大学医学部
https://www.med.shimane-u.ac.jp/research/kouhoushimadai.html
ウイルス攻撃の抗体開発に成功
https://www3.nhk.or.jp/lnews/matsue/20210123/4030007551.html
新型コロナウイルス治療の本命、抗体医薬の今
https://bio.nikkeibp.co.jp/atclwm/column/20/07/20/00600/
新型コロナの予防にも治療にも期待される中和抗体医薬
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/20/09/29/07445/
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