MLB(米大リーグ機構)と選手会による労使交渉が2月26日(日本時間27日)、6日連続でフロリダ州ジュピターで行われたが、合意に達しなかったとの報道が伝わっている。2月28日までに合意できなければ、3月31日の開幕予定が延期となり、通常162試合行われるはずのシーズンが短縮。さらに選手の給料削減の可能性が高まっている。
開幕は4月中旬、短縮シーズンになる!?
スポーツサイト「アスレチック」のドレリッチ記者らのツイッターによると、この日は選手会が包括的修正案を提示。
主要争点でもある課徴金の総年俸基準額や、メジャー在籍2~3年目の選手の年俸調停権取得の割合などで、選手会側は譲歩する姿勢を見せた。
未だに合意に達していないものは、
①停前の選手に対するボーナスプールに関しては、オーナー側が500万ドル(約5億5000万円)増の2000万ドル(約22億円)まで引き上げたものの、選手会側は1億1500万ドル(約126億5000万円)を主張している。
②オーナー側は、ドラフトの上位指名権を抽選とする案について、対象を3球団から4球団に増やす修正提案も行った。選手会側は8球団を主張している。
③最低保証年俸は77万5000ドル(約8950万円)を譲らず、依然としてMLB側の64万ドル(約7390万円)と大きな開きがある。
など、交渉は依然まとまっていない。
昨年12月2日以来、ロックアウトが続くMLBでは、少なくとも3月5日まで春季キャンプとオープン戦が延期された。
現時点では2月27日の交渉予定はなく、フルシーズンを行うためのタイムリミットとなる2月28日までに合意は難しいとの観測が大勢を占めている。
今年の大リーグは変則的か
大リーグは年間162試合行われるが、今年の場合、ロックアウト解除が3月になる可能性が大きい。その後4週間から6週間の準備期間を設け、開幕は4月中旬となるともいわれている。全試合数は150試合前後が想定され、減収分はポストシーズンの出場枠増で補填する構想が上がっている。
ポストシーズンの試合増はMLB・選手会双方にとって増収につながる。出場しなければ、お金が入ってこないため、どの球団もポストシーズン進出のため、競争力を高めることになる。昨季まで10球団だった進出枠をMLB側は14チームに拡大を狙い、選手会側は12と主張しているが結論には至っていないという。
期待される大谷翔平の二刀流と記録更新
150試合ほどの公式戦となった場合、レギュラー野手は50~60打席減、ローテーション投手ば2~3試合の先発機会減となる。
減少する打席数は、今年から実施予定の「両リーグDH制」により補え、先発機会も150試合前後であれば、昨季の23試合程度は見込めるため、大谷翔平の個人成績は今年も期待できると思われる。
しかしチームのポストシーズン進出を考えるなら、「右翼手・大谷」の先発起用という三刀流も可能性があるのか。
ジョー・マドン監督は昨季終了時、大谷の起用について「来季も今季同様になるだろう」と話した。
現状で大谷の二刀流起用は「打者ありきの投手起用」となっている。打者としての起用が続く中に先発投手としての登板機会があるといってもよい。
チーム状況を考えると、正中堅手のトラウトは8月に31歳、正三塁手のレンドンは6月に32歳を迎え、彼らがケガなくシーズンを乗り切るためには「DH」制を活用して、大谷が週1~2試合だけ右翼へ入れればチームの勝利確率が上がるとともに、その強肩を生かせば的チームにとっては最大の脅威ともなりうるが、大谷のけがを考えると無理はさせられない。チームとしても痛しかゆしといえよう。
大谷本人も、「首脳陣の方の考え方次第ですね。(外野手も)やれと言われれば、やりたいなとは思います」と答えている。
幸いにも今年も大谷翔平の体調はすこぶる良い。
二刀流、リアル二刀流から三刀流へ、大谷翔平の進化が今年も見られるかもしれない。只々けがをせず健康で過ごしてほしいと願うばかりだ。
参考
米大リーグ労使交渉、選手会が修正案提示も妥結できず 米記者「選手会は激怒」
https://news.yahoo.co.jp/articles/eed98703b26ed3d0fd96d912ac7831b8398170eb
MLB、選手会と約5時間の労使交渉も妥結に至らず 今週中解決なければ3・31開幕も危うく
https://www.nikkansports.com/baseball/mlb/news/202202220000160.html
大谷翔平の“右翼起用”がポストシーズン進出のカギに? 米国で出回る“怪情報”「開幕は4月中旬。162試合はやらない」
https://number.bunshun.jp/articles/-/852103?page=1
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