皆さんはソニーと言えば何を思い浮かべますか?
すぐに思いつくのが家庭用ゲーム機「プレイステーション(PS)」などゲーム事業ではないでしょうか。しかしソニーは、東京都港区に本社を置く、日本の多国籍コングロマリット(直接の関係を持たない多岐に渡る業種・業務に参入している複合企業体のこと)。世界首位のCMOSイメージセンサなどのハードウェア分野をはじめ、映画・音楽などのソフトウェア分野、およびハード・ソフト・サービスを横断する家庭用ゲーム機分野に重点を置いている超優良企業。
ソニーは2021年2月3日に、2021年3月期の連結純利益が前期比86.4%増加し、過去最高の1兆850億円に達する見通しだと発表した。純利益が1兆円を超えるのは初めてのこと。
発表によると、半導体事業でスマートフォンやデジタルカメラ向けのセンサーの販売見込みを上方修正したほか、新型コロナウイルス禍の巣ごもり需要でゲーム事業も好調だった。エレクトロニクス事業では採算性の高い製品の販売増や費用削減が寄与、好調なCMOS画像センサーなどの半導体事業について、スマホとデジカメ向けの引き合いが強いと説明。他事業も含めた利益水準については中期的には来期以降も「上げていける」と述べた。設備投資は娯楽分野などで投資機会が増えており、「これまでの3年よりもスケールを上げる」との方針を示している。
純利益を押し上げた要因の一つに、一番気がかりだった映画事業が前期実績比で増益予想に転じたこと。東宝と共同配給した人気アニメ映画「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」の大ヒットで、アニメ事業の音楽部門は280億円、売り上げが増加したことも大きかった。
11月に発売した新型ゲーム機「プレイステーション(PS)5」の売り上げも好調で、ゲーム部門は400億円増加している。
2021年01月11日に、アメリカのシリコンバレーで始まった世界最大級の家電IT見本市CESで、ソニーが新たな音楽ライブ体験を提案した。米歌手マディソン・ビアーさんの3D映像を仮想会場と重ね合わせ、没入感の高い仮想ライブ動画を「5G」配信するという。ソニーのセンサー・映像技術と「5G」の応用が拡張現実(AR)などを使ったスポーツ観戦や美術鑑賞にまで広げていくと予想されている。
ソニーは2021年2月2日、アメリカの子会社を通じて、米企業からインディーズと呼ばれる独立系アーティストの音楽配信などを手掛ける事業を買収すると発表した。買収額は4億3000万ドル(約452億円)。これによりアメリカの音楽事業コンテンツ強化を図るのが狙い。
株価の上方修正は昨年10月に次いで今期2度目。半導体やゲーム事業の業績が10月時点の想定を超える見通し。今期の年間配当は1株当たり55円と前期実績比10円の増配となる。巣ごもり需要の伸びによっては、更なる上方修正の可能性も。
参考:
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODC036HP0T00C21A2000000/
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-02-03/QNOBTLDWRGG601
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20210203-OYT1T50231/
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021020300900&g=eco
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021011201046&g=eco
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021020200605&g=eco
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-02-03/QNOBTLDWRGG601
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