地球はいまや「ゴミ惑星」か? ISSが前澤友作氏が滞在する前にデブリ回避のため「軌道修正」する

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ZOZO創業者、前澤友作氏など日本の民間人2人を乗せたロシアの宇宙船「ソユーズ」が国際宇宙ステーション(ISS)に向けて打ち上げられた。ロシアもアメリカも細心の注意を払ってロケットや宇宙ステーションの運用をしている。
しかし地球の周りの宇宙にも海にも、大量のゴミ(デブリ)が漂っている。海ではゴミを食べた海洋生物が死滅し、アイキャッチ画像のように、宇宙では多数のデブリが周回しており、前澤友作氏が滞在する国際宇宙ステーション(ISS)は、12月3日にデブリ衝突回避のため、軌道変更を行った。



このままゴミ(デブリ)が増え続けると、海では魚の数よりゴミの数の方が多くなり、宇宙ではデブリ回避のため燃料を消費したり、小さなデブリが衝突したりするため、衛星の寿命が短くなるという事態が考えられるという。

【地球】海洋ゴミが集まる5つの海域

人間が捨てたプラスチックを餌と勘違いして海洋生物が食べ、死滅するニュースが伝わってきている。2015年にはNASAが、衛星から海に浮かぶゴミの量やその流れを35年に渡り追跡し、科学的に可視化した動画を公開している。動画上の白い点の動きがゴミを表しており、世界のどの海域にゴミが集中しているのかを見ることができる。





この動画の小さな粒がそれぞれペットボトルや、ビニール袋、その他様々な海洋ゴミの存在を表し、海流の波や紫外線などの影響でマイクロプラスチックと呼ばれる破片や粒子へ変化。最終的には食物連鎖などを経由して人間に悪影響を及ぼすと考えられている。

【宇宙】低軌道はデブリが多数

2021年3月18日、中国の衛星「雲海1号2星(Yunhai 1-02)」が突然崩壊した。当時はその理由がまったく分からなかったが、最近になって旧ソ連製ロケットの残骸(デブリ)と衝突した可能性が濃厚であることが分かった。他にも2009年にはイリジウム社の通信衛星「イリジウム33号」がロシアの軍事通信衛星「コスモス2251号」と衝突。これにより10cm以上の大きさのデブリが1,800個以上も周辺にばらまかれ、破片が雲のような状態で今も軌道上を周回している。
ハーバード・スミソニアン天体物理学センター研究員のマクドーウェル(Jonathan McDowell)氏はインタビューで、地球低軌道上には小サイズの物体が増えてきており、「今後はこのような衝突がもっと頻繁に起こるでしょう。実際、一年に一度の頻度で起きている」と話している。



欧州宇宙機関(ESA)の推計では、地球低軌道を周回しているデブリの数はおよそ90万個(1〜10cm大のもの)、10cm以上のものはおよそ3万4000個といわれている。
これだけの数のゴミが地球を周回している中に国際宇宙ステーション(ISS)は存在している。いまもっとも懸念されているのが、最初は小さな衝突が連鎖的に周りのデブリに衝突する「ケスラーシンドローム」現象。雪だるま式に衝突が繰り返すことで、低軌道にある衛星を破壊し、低軌道が宇宙ゴミ(デブリ)のたまり場となることが懸念されている。

12月3日にデブリ回避のため軌道変更

アメリカ航空宇宙局(NASA)とロスコスモスは12月3日、接近するスペースデブリ(宇宙ゴミ)との衝突リスクを回避するために国際宇宙ステーション(ISS)が予定外の軌道変更を実施したと報道された。日本時間2021年12月3日16時58分に、ISSロシア区画の最後部にドッキングしているロシアの無人補給船「プログレスMS-18」のエンジンを使って実施。これにより国際宇宙ステーション(ISS)は高度を数百m下げてデブリを回避したという。デブリは軌道変更の約2時間半後に、国際宇宙ステーション(ISS)から最小距離3kmで通過したとみられている。
今回回避したデブリは約25年前に打ち上げられてアメリカの「ペガサス」ロケットの破片で、一度生成されたデブリが四半世紀の時を経た後もリスクとして存在し続け得ることを明確に物語っている。

前沢友作氏がISSに12日間滞在へ

ZOZO創業者、前澤友作氏など日本の民間人2人を乗せたロシアの宇宙船「ソユーズ」が日本時間の12月8日夕方、国際宇宙ステーション(ISS)に向けて打ち上げられた。宇宙船は、およそ9分後に高度およそ200kmで予定していた軌道に投入され、打ち上げは成功した。今後徐々に軌道修正しながらおよそ400km上空の国際宇宙ステーション(ISS)にドッキング。前沢友作氏らはここで12日間滞在する予定となっている。宇宙滞在中に一般から募集した実験などを行い、ネット配信を実施する。興味のある方は↓

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宇宙ステーションは最善の注意を払って運航され、クルーはどんな場合にも対応できる訓練を受けている。そのため前沢氏らに危険なことは起こらないとされている。地球へは日本時間12月20日にISSを離れて帰還する予定となっており、

ISSの民間人利用は経費補填!

今回の宇宙旅行はアメリカの宇宙旅行会社スペースアドベンチャーズ(Space Adventures)の企画によるもので、前沢氏は今回の宇宙飛行のために2人分、計100億円程度を支払ったとされる。ことしは宇宙旅行が本格化した年とされていて、ことし宇宙に打ち上げられた民間人は世界で22人になり、国の宇宙飛行士の19人を上回っているという。
これはISSの運用に多額の経費が必要なためで、ロシアだけでなく参加する各国は民間を活用して資金集めをすることを模索している。米国でも、クルードラゴンを利用してISSに滞在する宇宙旅行が来年から始まる。



宇宙活用が進むとデブリの問題は待ったなしの状況となる。また海洋のマイクロプラスチックも同様だろう。各国の研究機関は回収技術開発に乗り出しているが、これといった成果が出るにはまだ時間がかかるようだ。
一日も早い回収技術を確立し、美しく安全な宇宙や海であった欲しいと願うばかりだ。

参考
NASAが追跡!海に浮かぶゴミが集まる場所とは?
https://tabi-labo.com/179572/nasa-garbage
前澤友作氏、ISSへ 民間人の宇宙旅行を可能にしたお金の事情
https://mainichi.jp/articles/20211208/k00/00m/040/115000c
前澤友作さん乗せた宇宙船打ち上げ成功 日本民間人初ISS滞在へ
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211208/k10013380101000.html
【速報】前澤友作氏搭乗 ロケット打ち上げ 国際宇宙ステーションへ
https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4422574.htm?1638966687978
国際宇宙ステーションが軌道変更を実施、25年前に生成されたデブリとの衝突リスク回避
https://news.yahoo.co.jp/articles/c8ec57b885790ceb2d05983589be99628d50ffbf
前澤友作さんが搭乗するソユーズ宇宙船、発射台に到着! 12月8日打ち上げ予定
https://news.yahoo.co.jp/articles/f0c6eb9fc95734f446da2c5797328e96427c7b78
ISS、米ロケット破片の回避のために「軌道修正」 ロシアが主張
https://www.cnn.co.jp/fringe/35180397.html
宇宙のゴミ(スペースデブリ)がISSに衝突するおそれはないのでしょうか?
https://fanfun.jaxa.jp/faq/detail/203.html
衛星にスペースデブリがぶつかって崩壊。地球低軌道が密すぎる…
https://www.gizmodo.jp/2021/08/russian-space-junk-hit-a-chinese-satellite-in-march-ev.html
前澤友作氏が宇宙へ…ISSへの打ち上げNASAがライブ配信12/8
https://news.yahoo.co.jp/articles/5b296c60ceaaade7055dcaccda581dc952b81b58
同日22時41分に、国際宇宙ステーションISSとドッキング予定。
https://twitter.com/i/status/1468485807686045699

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