日頃なかなか疲れが取れない、なんとなくやる気が出ない、風邪や病気じゃないけどなんだかだるい、会社で働き家で眠るのを繰り返す毎日……。こんな症状が続いているなら、脳に疲れが溜まっているのかもしれません。
脳疲労とはどんな状態なのか、脳疲労が身体に及ぼすさまざまな影響とは、脳疲労を溜めないためにどんな対策をすればいいのか……脳疲労に関する疑問にお答えします。
あなたの脳疲労はどのくらいでしょうか? 次の表を使ってチェックしてみましょう。
□夜中や早朝に目が覚めてしまう
□理由もなく不安になったり無気力に感じたりする
□特別身体を動かしたわけではないのに疲れる
□何かに集中すると長時間のめり込むタイプ
□よく便秘になってしまう
□なぜかイライラしたり気持ちが沈んだりする
□自分の仕事は残業してでもやり遂げる
□頭がぼんやりして考えがまとまらない
□物忘れがだんだんひどくなってきた
ひとつでも当てはまる場合、脳疲労が起こる恐れがあります。また、この中で5つ以上当てはまっていた場合は脳疲労が起こる一歩手前、8つ以上当てはまっていた場合はかなり脳疲労が起きているかもしれません。
簡単にいえば脳に疲労が溜まり疲れた状態のこと。脳は多くの情報に基づいて身体のあらゆる箇所にさまざまな指令を出し続けています。筋肉を使い続けると疲れるのと同じで、脳も適切に休ませなければ疲れてしまうのです。そして脳が疲れると、身体に「疲れた」という信号を出し、その結果「ボーとする」「なんとなく全身がだるい」と感じるようになります。
脳は場所によりさまざまな役割分担があります。「大脳」は脳の司令塔で、言語や理論を理解する知性の部分「大脳新皮質」、本能的な欲求や感情を司る「大脳辺縁系」に分かれています。普段はその両者が互いに強調し情報を伝え合い、バランスを取っています。「大脳新皮質」「大脳辺縁系」からの指示を受ける場所が「間脳」で、自律神経や食欲をコントロールしています。
「大脳新皮質」と「大脳辺縁系」のバランスが崩れることがあります。例えば、仕事が忙しく働きづめのとき、「大脳新皮質」は「何としてもこの仕事を終わらせよう」とします。しかし「大脳辺縁系」は「体が壊れるので休みたい」という情報を出します。「間脳」は相反する矛盾した指令や情報のために混乱し自律神経の異常を起こさせ、食欲を制御できなくなったり、不眠や鬱の状態を引き起こします。
一番怖いのは自分では意識せず脳疲労を起こしているときです。例えばパソコンやスマホの見過ぎで起こる眼精疲労。情報量が多い画面を注視し続けることで神経疲労と混乱を起こします。ストレスもまた脳疲労の大きな原因です。家族や友人、恋人との人間関係、お金の悩み、職場の上司や同僚、部下の問題、将来のキャリアや人生設計の不安など、知らず知らずのうちに考え続け、脳疲労になっているケースがあります。現代社会において、普通に暮らしていて脳疲労がない人はいないと思いますが、脳に疲労を溜める前にうまく昇華させ、脳を回復させられるかどうかが重要となります。
①肥満や拒食になりやすい
脳疲労になると、味覚・嗅覚・視覚・聴覚・触覚の五感が鈍くなりとともに、食欲をコントロールする部分に異常が起きます。そのため味覚が鈍感になり食欲も抑えられないために、肥満になりやすくなります。逆に肥満に対する恐怖心から拒食となり、極度のカロリー制限や指でのどを刺激して食べたものを吐いたり、下剤の乱用などに陥ることがあります。
②将来の認知症に
脳疲労の状態では、脳の神経細胞にいらない物質が蓄積されて脳に炎症が起きているかのようになり、それが脳細胞を死滅させてしまうために記憶機能に障害が起きる危険性が高くなるほか、記憶に関係した神経伝達物質の働きも低下してしまい、うまく物事を思い出せなくなっていくことがあります。
③過労死のリスクも
脳疲労は、真面目で責任感が強く頼まれたら断れずに、自分1人できちんとやり遂げようとするようなタイプの人により起こりやすいものです。自分で気づかないうちに無理して仕事を仕上げたり、仕上げた仕事を評価されたりすると、達成感を感じ次の仕事へ邁進します。この達成感や意欲が一時的に高揚感をもたらし疲れを忘れさせ、疲労を感じさせなくさせているだけで、疲労はどんどん蓄積していきます。
年齢が上がるにつれ体力や精神力も低下し、身体的な異常が出始めますがその時にはすでに体はボロボロ状態。最終的には身体を壊してしまいます。
①睡眠の量と質を上げる
脳を休めるためには、睡眠は重要で、6時間以上は睡眠時間を確保し、ぐっすり眠れるような工夫と質の良い睡眠に気をつけましょう。
部屋の温度や湿度、ベッドのマットレスや枕などに気をつけたり、お気に入りのアロマの香りでリラックスしたりと工夫してください。寝る30分前までにはパソコンやスマホの画面を見ることを止めましょう。
寝つきが悪い人は、就寝の1~2時間前くらいにゆっくりとやや低い温度のお風呂に浸かり、上がった体温が下がり始めるタイミングで寝られるようにしましょう。
②意識して脳に栄養を
脳の老化や疲労の蓄積などを防ぎ、改善してくれる栄養を意識的に摂るようにしましょう。サバやサンマ、イワシなどの青魚に多く含まれるDHAは脳の老化を予防したり記憶力を維持させたりします。またくるみなどナッツ類に多く含まれるα-リノレン酸にも、脳の老化予防や記憶力維持の効果があります。チョコレートのカカオは認知力向上作用があるとされています。
全体的な栄養バランスと食事量に気をつけながら摂取しましょう。
③長時間のデスクワークは注意
何時間も同じ姿勢でパソコンに向かって仕事をすると高い確率で脳疲労の状態になりやすくなります。1時間ごとにこまめに立ち上がったりちょっと別の作業を挟んだりして脳を休めたり、気分を変えたりして休憩を挟みながら仕事をしましょう。ランチはデスクで済ませるより、少し外に出て自然の変化を感じながら食事をとるのも脳を休ませることになります。意識して自然の中で食べるようにしましょう。
参考
脳疲労とは? 脳が疲れると肥満や認知症、過労死の原因になる恐れあり!
https://forzastyle.com/articles/-/56891
ストレスに強いか弱いかは脳疲労で決まる!?脳の元気度をチェックしよう!
https://brand.taisho.co.jp/contents/tsukare/detail_2.html
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