免疫逃れる力大きいオミクロンの派生型変異株「BA.5」が急拡大 専門家「お盆の時期に増える可能性」を指摘

健康

オミクロン株の新たな変異株「BA.4」「BA.5」が急拡大している。7月7日の東京の感染者は8529人で、第7波が来たのではないかといわれている。これまで主流だった「BA.2」に比べ、ワクチン接種や感染で獲得された免疫を逃れる力が大きく、ワクチンの3回目接種から4~5カ月が経過し、感染を防ぐ「中和抗体」の量が3分の1に低下するとともに、「BA.5」は中和抗体を回避する性質もあることから、大きな波がお盆の時期に来る可能性を専門家が指摘している。

オミクロン変異株「BA.4株・BA.5株」とは

新型コロナウイルスは、遺伝情報を変化させた「変異株」が短期間で数多く出現してきている。これまでの大きな変遷は、

武漢株
→アルファ株
→ベータ株
→デルタ株
→オミクロン株「BA.1」「BA.2」
→「BA.4」「BA.5」など

様々な変異株が生まれた。



少し前まで日本では「BA.2(ステルスオミクロン株)」が流行していたが、その間に世界では「BA.4」「BA.5」が流行し、とうとう日本にも入ってきた。
世界保健機関(WHO)でも少し前から「BA.4」「BA.5」を「世界で注目されている変異株」に指定し監視対象としている。
「BA.4」「BA.5」は南アフリカで発生し、欧米諸国を中心に感染を広げてきた。経済を動かすためにも外国との行き来が必要であり、早かれ遅かれ変異株が日本に入ってくることは予想されていた。
変異株「BA.4」「BA.5」を解析したところによると、遺伝子的には「BA.2」に近い変異株と考えられているという。しかし、感染力は「BA.2(ステルスオミクロン株)」と「BA.4」を比較して1.24倍強く、「BA.5」はさらに高い1.40倍程度で、「BA.2」の35.1%も早く広がる感染力があるとされている。

さらにこのウイルスは免疫を逃れる性質があり、「中和抗体」の効果を「BA.1」と比較すると7分の1までに低下させるという実験結果が出ている。そのため感染力の強さと中和抗体を逃れる性質が合わさるため異常な速さでまん延することとなる。
重症化リスクに関しては、南アフリカでの「BA.4」「BA.5」の感染者3,793人と「BA.1」の感染者27,614人を比較した査読前論文によると、「BA.1」とほぼ同等と報告されており、重症度を増した証拠はないとされる。
今後そう遠くない時期に、日本も全てが変異株「BA.5」に置き換わっていくと考えられる。

昨年度の例からお盆で増加する!?

1年の中でも人が集まりやすいのが「お盆」の時期。夏休みで各地から帰省することで人との接触が増加し感染リスクが高まる。東京都内はすでに4人に1人が「BA.5」であるという統計結果が出ている。



昨年夏は「デルタ株」が主流だったが、今年はさらに感染力が強いオミクロンの派生型変異株「BA.4」「BA.5」が急拡大すると思われている。
感染者の中には、

①会社の食堂で食べていた人が陽性で、パーティションがあるから濃厚接触扱いにはならなかったが、結果的に感染したのではないか。
②割に空いていた通勤電車の中。向かいに座っていた人がマスクなしで、せきをしていた。気にはなっていたが自分はマスクをしており、通路挟んで座っていたので大丈夫と思っていた。しかし結果的に感染したのではないか。

など、解消を持ってどこで感染したかハッキリしていないケースが増えているという。

感染防止には『換気』『時間』『距離』『マスク』が重要

基本的にはこれまでのコロナ対策と変わらない。特に気をつけてほしいのは、

『換気』(エアコンをつけていても窓を少し開けて換気をする)
『(会話などの)時間』(マスクをつけていても100%防げるわけではない。多くの人が集まった場合、近くで会話をする時間を短くする工夫が必要)
『距離』(基本的にはこれまで同様に2m距離を離れることを心がける)
『マスク』(戸外を歩く場合は熱中症の危険があるため、会話をしなければマスクを外す。しかし2m以内で会話をするときには注意が必要)




この他に、
感染者の4割が10代以下が占めているため、若年層への3回目接種や小児のワクチン接種の検討も真剣に考えるときが来ている。

おわりに

ウイルスの感染力が強くなると重症化しにくくなるという。なぜならウイルスも自らを守り生存させる必要があるからで、今後は次第に季節性のインフルエンザのような病気になっていく過渡期に今あるのではないか。

だが季節性のインフルエンザのような病気になるのはまだ先のことで、今はいかに周りの人に感染させないかを一人一人が考え行動することが大切であろう。
今年の「お盆」も感染対策を考えた生活を意識したいものである。
参考
オミクロン変異株「BA4株・BA5株」の特徴について【感染力・重症化・ワクチン】
https://soujinkai.or.jp/himawariNaiHifu/omicron-ba4-ba5/
「BA.5」に置き換わり?医師「免疫すり抜ける力」「潜伏期間も短い」…「第7波」懸念
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000260246.html
コロナ急拡大、オミクロン新派生型「BA・5」の影響か ワクチンや感染で獲得の免疫逃れる力大きく 専門家「盆時期に増える可能性」
https://373news.com/_news/storyid/159067/
コロナ感染急増 オミクロン株「BA.5」感染力 症状 ワクチン効果は
https://www.nhk.or.jp/shutoken/newsup/20220707b.html
オミクロン変異株『BA.5』は「感染力がより強くなった」 医師が解説する流行するウイルスの条件
https://news.yahoo.co.jp/articles/d9eb871e898120081831c13953bd6cb4119a280e
【NHK】特設サイト 新型コロナウイルス
https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/

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