その物忘れ、もしかして「スマホ認知症」かも 急増する30~50代の予防と改善

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現在の生活になくてはならないICT機器。特に使用頻度が高い「スマホ」による脳への負担増加で認知症に似た症状の「スマホ認知症」が増加している。特に急増しているのが30~50代の働き盛りで、仕事にも影響を与え始めている。

スマホ認知症とは

記憶力・集中力の低下、注意力の散漫、言語障害のような認知症と同じような症状が発症した状態を指す。症状は一時的なものが多く、回復することが多い。
しかし、この症状が続くと「若年性認知症」に繋がる可能性があり、一時的とはいっても私生活への影響は大きい。

原因として考えられているのが、スマホからの過剰な情報収集で、脳の前頭前野が処理出来ないほどの情報が毎日入ってくることで、脳の容量がパンクしているため。
普段、何気なく見ている動画やニュースでも、情報を処理するために脳は活発に働いている。Youtube動画を短時間で視聴するため倍速で見る人も多いが、その行為が脳の負担をかなり増加させるという研究結果もある。
本来人間の脳は、「情報収集」→「分析・処理」→「外部出力」が一連の流れとなって行われるが、「ダラダラ見ているだけ」「BGM的に」でも脳にとっては「情報収集」を常に行っている。このことで気づかないうちに情報を蓄積し脳が疲弊している状態となっていく。

最終的には脳の容量オーバーによる機能低下で「物忘れ(スマホ認知症)」に拍車をかけるという悪循環が生まれている。

現状から気付いて始める

自分のスマホに関する状態を①~⑪でチェックしてみましょう。

① 気が付いたらスマホを見ている
② いつでもスマホが手に取れる場所にある
③ 疑問に浮かんだら脳の記憶をたどるのではなく、すぐスマホで検索する
④ 時間が空くと電車やトイレでもスマホを見ている
⑤ 就寝前にスマホを見てから寝る習慣になっている
⑥ 覚えないと行けないことを覚えるのではなく、スマホで写真に撮って記録する
⑦ 最近、以前覚えていた漢字が思い出せず書けなくなった
⑧ 最近、物忘れや置いた場所が分からないことが増えてきた
⑨ 仕事・家事の段取りが以前に比べて悪くなった
⑩ 手足の痛み、動悸、めまいなどが起きやすくなった
⑪ 突然怒りがこみ上げたり、不安になって泣き出すなど、感情の変化が以前より大きくなったと言われる

意外に多くの項目に該当しているのではないだろうか。当てはまる項目が多くなればなるほど「スマホ認知症」が進行しやすくなる。

スマホ認知症はどの世代にも起こるが、現在急増しているのが30~50代の社会人だと言われている。特に⑩と⑪の項目は心身に影響が強く出始めているので医療機関に相談するなど、注意が必要だろう。

スマホとの付き合い方を考える予防と改善

既にお気づきと思うが、現代人は生活のかなりの場面でスマホを見ている。この状態を改善するために次のことに気を付けてみよう。

① 「20・20・20ルール」の実践
アメリカで「20・20・20ルール」がある。これは20分間スマホを見たら、20フィート(約6メートル)離れたものを20秒間見るというもの。目を休める目的もあるが、意識的にスマホ見ない習慣を付けるとともに、疲弊している脳を休める時間(デフォルトモード)を持つ。

② 目に使いない手に取りにくい場所に置く
いつでも使える場所に置くと無意識に見て使ってしまう。なので「カバンの中に入れる」「テーブルの上に置かない」「引き出しの中に入れる」など、目につかないところに置く。

③ 家族や友人と直接接する機会を増やす
コロナ禍で人と接することが少なくなった今日、意識的に家族や友人と直接会って話をする機会をつくる。メールやLINEの文字や写真などでは、相手の表情やしぐさなどが直接分からないため脳の活性化にはつながらない。

④ よく笑い、よく遊び、脳トレをする
笑いは脳と心を活性化する。さらに「楽しい!」「ワクワク!」は記憶力を高める効果がある。
直接対戦するトランプの神経衰弱やボードゲーム、脳トレも効果がある。

⑤ 新しいことにチャレンジする
単調な生活を続けると脳の働きが低下するため、知的好奇心が沸く新しいことにチャレンジする。これにより脳の活性化と脳の萎縮が抑えられる判断力・思考力・記憶力が保たれる。高いハードルではなく、子どものとき行っていたピアノや囲碁、将棋、麻雀など、以前行っていたことでもよい。

⑥ 読書をする
本を読むだけでも効果はあるが、読んだ本の感想や要約、批評を行うと読解力や発想力が鍛えられ脳が活性化する。電子書籍より紙の本の方が効果が高い。

⑦ 運動を行う
適度の有酸素運動を行うことで脳だけでなく体全体を活性化する。習慣化することでより一層効果が高まる。

おわりに

スマホ漬けの生活を送っている我々現代人。便利な反面、脳は情報過多のためついていけない状態になっている。スマホがない生活を送ることで本来の人の生活を考えてみてはどうだろうか。

参考
その物忘れ「スマホ認知症」かも 30~50代で急増中
https://www.sankei.com/article/20230115-EUWVQSN4NVJALFDI4BGMEI7XHM/
「記憶力」を維持するために一番いい習慣とは 脳科学者が解説
https://news.yahoo.co.jp/articles/de5975964823485704600c27ec3baa032244a888
スマートフォンを使いすぎると認知症になる!?
http://www.kato-naika.com/web/wp-content/uploads/2017/08/H29.08kouhou.pdf
スマホ認知症とは?スマホ認知症の危険性や予防方法を徹底解説!
https://www.mcsg.co.jp/kentatsu/dementia/1332
あなたは「スマホ認知症」になってない?チェックして対策を!
https://lab.nipponham.co.jp/check/72

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